最新法律動向

『医薬体制改革を進めるための2014年度主な業務任務』を発表   国務院弁公庁より

医療関係者の收入と薬品の医学検査の連動を禁止する

国務院弁公庁は5月28日に中国政府ネットにて『医薬衛生体制改革を進めるための2014年度の主な業務任務』(以下「業務任務」と略称)を発表し、医療業界の特徴に適応した人事報酬制度を確立することを明確化した。医療業界の特徴に適応した公立病院の人事報酬制度と政策を検討・立案し、収入の配分を奨励、制限するシステムを確立し健全化させる。医療関係者にノルマを科すことを厳禁し、医療関係者の賞与、賃金等の收入と薬品、医学検査等の業務と連動させることを厳禁する。

改革モデルは農村の5億人をカバーする】

国務院医改弁の責任者は、「業務任務」に関する記者の質問に対し、次のように回答した。2014年、県級公立病院の総合的な改革を公立病院改革での最重要課題とする。第2期県級公立病院の総合改革モデルを実施し、新たに県級公立病院の改革モデル県(市)を700県(市)にまで増やし、モデル県(市)の数は50%以上をカバーし、農村の5億人をカバーするようにする。都市の公立病院の総合改革モデルを拡大し、都市の公立病院の総合改革モデル実施案を検討し、制作する。2014年度には各省に1つの改革モデル都市があるようにしなければならない。

 具体的に言えば、公立病院の改革を推進することを加速させるために以下のように合計8項目の重要業務がある。それは、公立病院の計画配置の調整、合理的な補償システムの確立、医療サービス価格の調整、医療業界に適応した人事報酬制度の確立、県級公立病院の薬品購買システムの完備、近代的な病院管理制度の確立と完備、レベルごとの診療システムを整え、漢方薬事業の発展政策とシステムを完備することである。

 【薬価を抑え、医療サービス価格を引き上げる】

「業務任務」は、薬で医療を補う方法を捨て、公立病院が薬品の割増により減少した合理的な収入で、医療技術サービスの価格調整と政府資金投入の増加及び病院のコスト管理の強化、運営コストの節約等を通じ、各方面が分担し、各省(区、市)にて具体的な補償方法を作成するよう求めた。

医療サービス価格を調整する。「総量をコントロールし、構造を調整し、上げるべきものは上げ、下げるべきものは下げ、次第に適切な価格にもっていく。」という原則に基づき、薬品の割増の取り消し、医療保険の支払能力、庶民の医療負担および現地経済と社会の発展レベル等の要素を総合的に考慮し、看護、手術、病床数、診療、漢方サービス等項目の価格を引き上げ、徐々に医療サービスと価格とのバランスを調整し、医療関係者の技術的な労務の価値を反映させるようにする。

薬品と高価な医療用消耗品の価格や大型医療用設備の検査費用、治療価格を引き下げ、既に借入金または資金を集めて購入した大型設備は、原則として政府が買い上げ、買い上げが難しい場合は一定期間内で価格を引き下げる。価格調整政策は、医療保険の支給政策とリンクさせる必要がある。公立病院の総合改革モデル地区では、価格調整の具体案、明確なタイムスケジュールを制定し、組織的に実施する必要がある。

【行政機関の責任者は、公立病院の責任者を兼任してはならない】

「業務任務」は、公立病院の運営の効率化を更に推進し、公立病院のランクを徐々に取り消していくことを明確化し、2014年末迄に衛生計画出産行政機関の責任者は一律公立病院の責任者を兼任してはならないとしている。

「業務任務」は、公立病院の院長選抜任用制度を完備し、院長の就任資格および条件を明確化し、院長の専門化、プロ化を推進し、院長の任期中のタスク管理を強化し、問責メカニズムを確立することを求めている。

この外、政府と公立病院が人事、資産、財務等の面で責任と権利の関係を合理的に分け、方針決定、実行、監督機能を分けて、権力のチェックアンドバランスメカニズムを確立する必要がある。

【社会保険の指定でも公私平等に取り扱う】

「業務任務」は、社会資本による非営利の医療機関の設立を優先的にサポートし、参入条件を緩和することを求めている。中外合弁、合作医療機関管理暫定施行弁法を修正し、合弁、合作医療機関の中の外資系株の保有率の割合制限を減らす。徐々に開放・リスクコントロールするという原則に基づき、香港、マカオ、台湾地区のサービス提供者が設立した独立資本の病院の地域範囲を全国の市(地方)級以上の都市に拡大し、他の条件に合った海外資本は中国(上海)自由貿易試験区などの特定区域で独立資本の医療機関を設立し、徐々にテストポイントを拡大する。社会資本による医療機関に関連する行政審査事項を整理し、廃止或いは合併し、審査手続を減らし、審査手続と条件を公開し、審査の効率を高める。

各地で不合理な規定を集中的に整理し、私立医療機関及び公立医療機関の市場参入、社会保険の指定、重要専門科の建設、国家資格の審査、学術地位、等級評価、技術参入、研究課題の確定など各分野での平等な取り扱いを進める。

同時に医師のより多くの職場での従事させる制作も促進する。「業務任務」の規定では、医師をより多くの職場で従事させることに関する意見を発表し、更に手続を簡素化し、医療関係者の社会化管理を保証し、医師の秩序ある流動化を阻害する不合理な規定を破棄し、より多くの職場での業務に従事することを奨励する政策を完備する。

【農村の医師を優先的に採用する】

「業務任務」は、如何に農村の医師の業務を安定させるかについて、一連の規定を制定した。原則的に40%前後の基本公共衛生サービス任務を農村の医務室の担当とし、試験に合格すれば、その試験に相応する基本公共衛生サービス費用を農村の医務室に支給するものとした。これを無断で占有したり、転用したりしてはならない。条件に合った農村の医務室を新農業保険の指定医療機関とし、全面的に一般診療費用政策を実施する。

末端の医療衛生機関は平等な条件の元で職業医師(助手)資格を持っている農村の医師を優先的に採用することができる。僻地、困難地区、少数民族地区等の特殊な地区で医療活動を行う農村の医師の待遇を改善することに関する政策措置をし、制定する。高齢化した農村の医師の養老保障及び生活困難問題等を様々な方法で解決すると同時に、農村の医師の定年退職システムを作らなければならない。農村の医師に対する政策の実施状況を適時、監督検査していかなければならない。

【医薬品の仕入販売にかかる商業賄賂に対する不良記録を付ける】

薬品流通秩序を制度化する事も、「業務任務」の中で確定された重要な医療改革任務である。

国務院医療改革弁公室の責任者は、現在、薬品流通分野で経営が制度化されておらず、競争が秩序を失い、サービス・効率の低下などの問題は、薬価の異常な高騰を生み、庶民の薬代の負担増に繋がっている。これと同時に、薬品購買分野での腐敗行為は医療衛生業界を著しく腐敗させ、医療業界のイメージに悪影響を与えているため、薬品流通経営行為を制度化する必要がある。薬品生産経営企業の法律法規違反行為を厳しく取り締まることは薬品流通分野での腐敗行為及び不正行為を有効に抑制することに繋がる。薬品流通サービスの水準と効率を高め、薬品流通業界の公平な競争環境を整え、これを阻害する要因を取り除く政策規定の制定を速め、全国統一の市場を構築する。これは、薬価の形成メカニズムを改善し、薬価の価格決定方法や輸入薬品を巡る問題改善し、高価な医療用消耗品の価格を管理する等である。

「業務任務」は特定項目の取り締まりを展開し、薬品生産経営企業に依存した経営、証明書の貸出、偽物劣悪薬品の販売、商業賄賂、及び偽造領収書の虚偽発行等の違法違反行為、「医薬品代表者」による違法な医薬品販売等の行為を厳しく取り締まり、医薬品流通分野での不正行為及び不正な環境を有効に抑制する。そして医薬品購買分野での賄賂などの不良行為を記録する規定を実施する。

【「賄賂」を受け取る過度な医療行為を厳しく調査し、処分する】

「業務任務」は医療衛生分野全てにおいて監督を強化することを求めている。あらゆる医療衛生機関は全て所在地の衛生計画出産行政機関が統一的に参入許可、監督を実行するとしている。

「業務任務」の要求によれば、医療秩序および違法な医療行為の取り締まるを更に展開するとしている。診療サービス行為を厳しく取り締まり、診療サービスでの不正行為を是正する。特に社会から厳しく譴責されている賄賂の授受、リベートと過度な医療行為等の行為につき、「業務任務」は厳しく取り締まることを規定している。

また、医療紛争における調停等の第三者調整機関を育成し、医療紛争の処理と医療リスクの分担システムを完備する。法律に基づき、医療に関する犯罪行為を取り締まり、平等、健康、調和の取れた医師と患者の関係を構築するよう努力しなければならない。その上、医療費用の不合理的な急激な引き上げを抑制する指導文書が作成される予定である。

(法制日報より)

作成日:2014年07月11日