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年次有給休暇を巡る労務リスク管理の新たな変化 -NEW-

   人力資源社会保障部が1月27日の記者会見で『従業員年次有給休暇条例』の改正推進に言及したことが社会的議論を呼んでいます。今回言及があった改正は、年次有給休暇制度の運用が不十分な現状を改善すると同時に、出産を奨励する措置でもあります。
   最近、弊所にも年次有給休暇に関する問い合わせがありますが、年次有給休暇は会社の生産経営や賃金支給などに影響し、適切に処理されない場合は紛争を招く恐れがあるため、会社側の慎重な対応が不可欠です。そこで今回は、年次有給休暇改正のポイントを紹介いたします。

1.年次有給休暇規則の変更可能性
弊所の予想では、年次有給休暇制度の改正により、年次有給休暇賃金の請求に関わる仲裁時効問題に関係してくると考えています。例えば、従業員が消化すべき年次有給休暇が未消化で、かつ会社が3倍の賃金(通常賃金+2倍の未取得休暇補償)を支払わなかった場合、労働関係存続期間中である従業員は過去数十年間の未取得休暇補償を主張することができ、通常1年の時効制限を受けずにこれを請求できることになります。そのため、企業が従業員の年次有給休暇取得手配や3倍の賃金補償の支払いに関する証拠を適切に保存していない場合、重大なリスクに直面する可能性が出てきます。
また、将来的に法定退職年齢を超えた労働者の基本労働権益(残業代、年次有給休暇など)に『労働法』が適用される可能性もあります(人力資源社会保障部が草案を公布し、意見募集済み)。実務上、既に退職した従業員の多くは勤続年数が20年を超えるため、再雇用された場合、これらの労働者は15日間の年次有給休暇を取得することが可能となります。

2.企業の実務対応
   実務上、従業員が年次有給休暇を消化したものの、証拠の保存が不十分、または年次有給休暇取得の証明がないことにより労使紛争が発生するケースもあることから、参考として以下の対応策を紹介いたします。
(1)休暇通知書や休暇申請書には休暇種類を「年次有給休暇」と明確に記載し、同時に該当年度を記載する。
(2)年次有給休暇取得の証拠保存を徹底する(例:メール、企業用WeChatなどによる記録を保存)。
(3)従業員に前年度までの年次有給休暇を既に取得済みであること、また3倍の賃金を受け取ったことを書面で確認させる。
(4)賞与支給時に残業代や未消化年次有給休暇の未払い分補償などを含めることを検討する。

   実務においては個々のケースに合った具体的な分析と対応が必要となります。年次有給休暇に関わる条例の改正動向に留意すると共に、実務経験豊富な弁護士への事前相談により、効果的な対応策を見出すことができるでしょう。

作成日:2026年02月26日