最新法律動向

地下鉄車内での飲食禁止の効果  各地の「飲食禁止令」について

北京市第14期全人代常務委員会第11回会議にて『北京市軌道交通運営安全条例(案)』が審議され、「地下鉄車内での飲食」を立法化するか否かについて、委員達は互いに鋭く対立する意見を発表した。実際に全国各地の都市で地下鉄の建設が迅速に行われている今日、この問題は相当に普遍的な意義を持っている。

 地方ごとの規定は異なっている。武漢や鄭州等では条例化され、上海や広州等では乗客規則となっている。

 武漢 ― 武漢は、中国で最初に地方の法規の中で地下鉄内での飲食禁止を明文化した都市である。2012年12月28日に武漢地下鉄2号線の第一期工事が起工されてから、武漢市では、地方立法の形で『武漢市軌道交通管理条例』が発表され、軌道交通路線上での飲食、痰吐等のマナー違反行為を処分することとし、罰金の最高金額を200元とした。また、同じ頃、武漢地下鉄の運営会社の300名余りの法執行隊員は、武漢市内で既に開通している軌道交通路線上での飲食等の行為を処分した。

 鄭州 ― 2013年12月15日、鄭州市政府は『鄭州市都市軌道交通運営管理弁法』を公布した。管理弁法は、列車の車両内での飲食を禁止すると規定している。規定に違反した場合、鄭州市交通運輸行政機関が是正を命ずる。是正を拒否した場合50元以上200元以下の罰金を科す。当該弁法は2014年1月1日より正式に施行されている。

 深セン ― 5月12日、深セン市法制事務所は、『深セン市都市軌道交通運営管理弁法(意見聴取稿)』を発表してパブリックコメントを求めている。意見の聴取は6月15日迄行われる。意見聴取稿では、次のように規定している。「地下鉄駅構内の券売地域および列車内での飲食を禁し、規定に違反した者は、安全な運営に危害を加えたとして処分する。深セン市都市管理機関は是正を命じ、警告を発し、100元以上1,000元以下の罰金を併科する。 早くも2004年に深セン地下鉄が開通したとき、深セン市地下鉄有限公司は、「深セン地下鉄乗客規則」を発表した。うち「第三章 乗車規則」の中に、地下鉄駅構内または列車内での飲食を禁止する。違反者は、関係機関に整理を命じ、200元の罰金を科すと規定した。

 上海 ― 今年1月1日より、上海は新版の「上海市軌道交通乗客規則」と『上海市軌道交通管理条例』を同時に施行し、「地下鉄車内での飲食禁止」を規則の中には記入したが、条例の中には組み入れなかった。

 広州 ― 2007年に広州が「広州市都市軌道交通管理条例」を制定したとき、草案の初稿では、「車内での飲食禁止」という規定があったものの、当時多くの者は、飲料水も飲めないというのは、厳しすぎるとして、草案第二稿では、この規定は「車内で食事禁止」と変更された。つまり車内で飲料水は飲んでもいいが、食事は禁止されることとした。しかし広州市人代常務委員会により最終的に通過した条例では、この規定が取り消しとなり、「その他都市軌道交通の公共の場所の外観や環境衛生に影響を及ぼす行為」という禁止行為条項が留保された。

 2010年12月より施行された、法律レベルが上記の条例より低い「広州地下鉄乗車規則」にて、乗客は車内で飲食してはならないとの方針を明確に打ち出した。情報によれば、杭州、重慶、成都等では、幾度も討論した結果、最終的に「車内飲食禁止」条項を取り消し、乗客への指導に切り替えたとのことである。

(新華ネットより)

作成日:2014年07月04日