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立証責任の消費者から経営者への移行が権利維持の利器に-消費者の個人情報保護弁法まもなく発表-

 国家工商総局の張茅局長は、全国工商行政管理機関において新消費者権利保護法を確実に実施することについての会議上において、新消費者権利保護法の要求に基づいて、消費者の権利保護規則制度の立法と廃止業務を進め、『消費者詐欺行為処罰弁法』、『工商行政管理機関の消費者からの不服申し立て受理に関する暫定施行弁法』、『工商行政管理所による消費者からの不服申し立て処理実施弁法』、『ネット商品取引及びサービス行為管理に関する暫定施行弁法』等の総局の規則制度の改訂整備業務をしっかりと行い、消費者の個人情報の保護に関する弁法を発表し、新消費者権利保護法に適合しない規則制度と制度的文書を徹底的に整理すると述べた。

リコールについての義務を国際慣習と一体化させることを明確化
張局長は、新消費者権利保護法により消費者の権利保護の規定が細分化され、個人情報の保護が明確化され、商品およびサービスに対する「三保証」規定が完備され、詐欺行為に対する罰則が厳しくなり、経営者の義務と責任が重くなったと指摘する。また、新消費者権利保護法は、経営者の義務と責任についての内容に関する修正が最も多く、経営者が自覚的に法定の義務を履行し、消費者の権利の維持と社会的な責任を負うという立法の精神を表しているとのことである。

具体的には、以下の3点にそれが表れている。
①初めて法のレベルから経営者が欠陥商品をリコールする義務を明確化したこと。経営者が提供した商品またはサービスに欠陥があり、人身・財産の安全に危険を及ぼすことを発見した場合、生産・販売の停止、リコール、無害化処理等の危険を取り除く措置を講じることを規定した。当該規定は自動車という商品のみリコールが行われていたという限界を打ち破り、更に国際慣習と一体化するものとした。
②経営者の立証責任を明確化したこと。経営者が提供した自動車、コンピュータ、テレビ、冷蔵庫、エアコン、洗濯機等の耐久消費財または装飾内装等のサービスについて、6ヶ月以内に瑕疵についての紛争が発生した場合、経営者側が瑕疵に関する立証責任を負うことを規定した。立証責任を消費者から経営者へ移行したことは消費者の権利維持の難し、権利維持コストが高いという問題を解消する利器となる。
③広告経営、掲出各側の責任を強化したこと。消費者の生命や健康に関わる商品またはサービスに対する虚偽の広告により、消費者が損害を被った場合、広告経営者、掲出者と当該商品を提供するかサービスを提供する経営者の連帯責任を規定した。これと同時に消費者へ商品を勧めるかサービスを行う団体、組織、個人も法に基づいて連帯責任を負うと規定した。
ネットショッピングにおける法の抜け穴を補完
今回の法改正のもう一つの目玉は、ネットショッピングなどの新たな消費形態への制度化を強化した点である。張局長は、新消費者権利保護法は、ネットショッピング、個人情報保護等、新興分野に典型的な問題を制度化し、更に法の抜け穴を補完したと述べた。インターネット、テレビ等のバーチャルショッピングおよび金融サービスの経営者は、消費者に真実で必要な情報を提供しなければならないと規定した。一部の返品することが難しい商品を除いて、消費者は商品を受領してから7日間は返品する権利があり、理由はいらないと規定した。ネット取引ウェブサイトの経営者の責任を規定し、更に消費者を損害賠償請求権により保護すると規定した。経営者が侵害を停止し、悪影響を取り除き、消費者の損失を賠償する等、民事責任を負うものと規定した。これらは、消費ブームの起きている新たな状況での難問への回答と解決方法を規定するものである。
公益訴訟が社会的管理の新たな形を具体化
更に新消費者権利保護法は、行政機関の監督管理責任を明確化し、消費者への権利侵害や違法行為に対する罰則を強化した。新消費者権利保護法は行政機関へ欠陥商品やサービスに対する強制措置の権限を授け、消費者から苦情申し立てがあってから7日以内に回答しなければならないという時間制限を明確化した。新消費者保護法は、消費者の権利を損なう行為に対する行政罰が厳しくなった。生産日の改竄、行政機関から命令された欠陥商品またはサービスの販売停止、警告、リコール等の処理措置を拒否したか引き伸ばした者に対しては、いずれも行政上の責任を規定した。
 

 その他、新消費者権利保護法では、消費者協会の性格と機能を明確化し、各レベルの人民政府の消費者協会が機能を果たすことに対して必要な経費を支出することを明確化し、消費者協会が公益的な機能を担い、特に消費者協会に公益訴訟を提起する機能を追加することを明確化し、新たな状況における消費者保護業務に対して社会的な管理を強化し、管理方法を創造し、社会の監督機能を十分に発揮するという新たな特徴を具体化している。
(法制日報より)

作成日:2013年11月19日