最新法律動向

9月1日より実名登録しない新規電話利用者は使用不可に

 電話の実名登録制が実施されてから今年で早3年。より厳格に実名登録を求める制度が今年9月1日から正式に実施される。これまで行われていた比較的緩やかな制度に比べ、9月1日からの実名登録制は非常に厳しいものとなり、実名で登録しない電話利用者は電話が使用できなくなるということであった。

実名登録しなければ使用不可に
 今年7月、工業情報化部(以下「工信部」と略称)は、『電話利用者が真実の身分情報を登録することについての規定』および『電気通信とインターネット利用者の個人情報を保護することについての規定』を公布した。この中で9月1日より利用者が固定電話・携帯電話(無線利用カードを含む)等を使用する際には、実名で登録する必要があると規定している。

 8月26日、チャイナモバイル・チャイナユニコム・チャイナテレコムも、工信部の規定により9月1日より厳格に実名登録制を実施するという公告を共同で発表した。9月1日より電気通信事業者の実体営業所、ウェブ営業所、授権代理店などで固定電話の設置・移動・名義変更を行うか、携帯電話(無線利用カードを含む)の開設・名義変更等の手続きを行う際、利用者は本人の有効な証明書の原本を提示しなければならない。他人に手続きを依頼する場合、受任者は利用者自身の有効な証明書の原本と受任者の有効な証明書の原本を提示しなければならなくなる。

 電気通信事業者によれば、9月1日以降実名登録を行わない場合、新たに手続きをした電話(固定電話、携帯電話、無線利用カードを含む)は、いずれも使用できなくなるという。しかし、現在のところ実名登録の範囲は新たな利用者のみに限られ、実名登録していない従前の利用者は影響を受けないという。業者内部の事情通によれば、今年の実名制政策では主に新たな利用者の実名登録問題を解決し、来年から実名登録していない従前の利用者の追加登録問題を重点的に解決するという。その際に様々な方法を発表して従前の利用者の追加登録を推進し、最終的な全利用者の実名登録を実現するという。

より厳格に実施
 実際には、2010年9月1日より工信部は電気通信事業者に対して携帯電話の実名登録を求めていたが、当時は正式な成文規定はなく、無線利用カードも実名管理の範囲ではなかった。電気通信事業者の営業所においては実名登録は厳格に行われていたが、代理店での実名登録は緩やかなものだった。一部の代理店で携帯電話カードを販売する際には利用者に身分証の提示を求めているものの、本人かどうか、証書が本物かどうかについて何れもチェックしていなかった。一部の売店やキオスクでは、依然として何も身分証明書を提示しなくても携帯電話カードを購入することができる。現在、利用者は実名登録無しで神州行や如意通等、通信事業者のプリペイドカードを購入できる。

 電気通信事業者内部の事情通が記者に告げたところによれば、今年9月1日から実施される制度はこれまでとは異なるという。工信部から正式な法律も公布され、取り扱いもより厳格となり、実名登記の漏れを塞ぐだけでなく、勝手に身分証のコピーを提示して登録するということもできなくなるという。「我々のシステムは身分証情報の正確性を検証することができ、間違いないと確認された上で利用できるようになります。」

実名制の実施がサービスに悪影響を及ぼしてはならない
 電話実名登録制の実施について、電気通信業界を所管する工信部も殊の外重視しており、工信部はこの事について特別に全国テレビ電話会議を開催した。工信部の尚氷副部長は、この問題について「3つの両立」を提唱し、厳格な管理が利用者へのサービスに悪影響を及ぼさないように求めた。1つ目は、法による推進と奨励による導入の両立である。新たな電話利用者に対しては、実名登録制を厳格に実施する。従前の利用者に対しては、優遇・利便性等の措置を利用し、従前の利用者の追加登録を奨励し、従前の利用者の実名登録率を引き上げる。2つ目は、厳格な管理と利用者の利便性の両立である。電気通信事業者は監督管理を強化し、社会の営業販売ルートが厳格に実名登録と情報の保護を成し遂げることを確保する。これと同時に厳格な管理が利用者へのサービスに悪影響を及ぼしてはならない。社会の営業販売ルートを指導し、これを助け、各種の技術的手段を利用して、利用者の登録を促す。3つ目は実名登録と情報のチェックの両立である。各電気通信事業者は身分証情報の真実性のチェックを重視し、積極的に各種の技術的手段を利用して、証書のチェック能力のレベルアップを促し、絶えず利用者の身分情報の正確率を向上させる。

個人情報の安全を保護する必要
 独立電気通信分析士の付亮氏によれば、実名登録制の実施は、電気事業者内部の番号管理と利用者サービスに積極的な影響を及ぼし、これと同時に偽物の番号カードを発行したり、ジャンクメールの送信、詐欺メールの送信等に対しても一定の抑制作用があるだろうと述べた。しかし、具体的な実施の過程においては、実名登録制の幾つかの難しい点にも注意が必要である。先ず、個人の身分情報を確認し、如何に利用者が提供した個人情報が正確で真実であることを保証するのは簡単な事ではない。銀行の実名登録制は実施されてから長い年月が経過しているが、いまだに偽物の身分証で口座を開設する行為を根絶するには至っていない。2つ目に個人情報の保護という問題がある。実名登録制の登録段階には、営業所もあれば、代理店もあり、この多くの段階の中で利用者の個人情報を如何に漏洩させないということを保証するのは、電気通信事業者にとっての試練である。3つ目に登録方法に問題がある。実名登録制に専用の設備が必要となった場合、中小の代理店、特にキオスク、売店では条件を満たせないために携帯電話番号カードを販売できなくなる可能性がある。

 (京華時報より)

作成日:2013年09月06日