法律相談Q&A

持分譲渡契約に関するトラブル

【相談概要】
当社は日系企業で、ある在中外資系独資企業の株主である企業(以下「甲」という。)と持分譲渡契約を締結しました。当該契約書の中で、甲は持分を全て当社へ譲渡すると約定し、なお且つ甲が役所で持分譲渡に関する手続きを行う義務があると約定しました。契約締結後、当社は甲に持分譲渡代金の一部を支払いました。しかし、甲は商務機関への申請義務を履行しないばかりか、持分譲渡契約は発効していないため、申請手続きを行わななかったと言い訳しました。これについて以下の3つの質問があります。

【Q1】持分譲渡契約は、いつ発効するのでしょうか?

【A】『外商投資企業投資者持分変更に関する若干の規定』第20条および『外商投資企業紛争案件の審理に関する若干の問題についての最高人民法院の規定(1)』第1条に基づけば、審査・認可を受けなければならないにも関わらず、認可を受けていない持分譲渡契約は、未発効の契約に属すると規定されています。持分譲渡契約は、商務機関が認可し、新たな外商投資企業の批准証書が交付された日に発効すると規定されています。

【Q2】甲が持分譲渡契約の未発効を理由として、譲渡申請手続きを行わないのは適法ですか?

【A】審査・認可を得ていない持分譲渡契約は、既に成立したものの未発効の契約というだけであるため、全く効力がない訳ではありません。誠実信用の原則に基づけば、双方の当事者は、いずれも積極的に契約の発効を促進する義務を負っています。『外商投資企業投資者持分変更に関する若干の規定』第1条に基づけば、契約が認可されていないことにより未発効と認定された場合でも、契約中の当事者が申請義務を履行することに影響を及ぼさないと規定されています。なお且つ、持分譲渡契約書の中で甲が役所で持分譲渡に関する手続きを行う義務について約定してあるため、本案件では、甲は商務機関に申請する義務を履行しなければならないかと思われます。

【Q3】当社は、どのような法的措置を講じることが可能でしょうか?

【A】先ず書面形式(弁護士レターの形式でもよい。)で甲が指定の期限迄に申請義務を履行するよう要求することができるかと思います。甲が当該期限を過ぎても申請義務を履行しない場合、関連規定に基づいて、貴社は裁判所へ訴訟を提起することが可能です。訴訟を提起する際には、甲と外資系独資企業が一定の期日までに共同で申請義務を履行するよう請求し、同時に甲と外資系独資企業が発効した判決の期限迄に申請義務を履行しない場合には、貴社自らが申請を行うことができるよう請求することができます。

また、甲と外資系独資企業が裁判所の判決によって確定した申請義務の履行を拒否した場合、貴社は別途訴訟を提起し、持分譲渡契約の解除と、貴社が既に支払った部分の持分譲渡代金の返金およびそれに見合う損失を請求することが可能です。

作成日:2013年06月26日