法律相談Q&A

防暑降温手当の支給について

Q.1最近マス・メディアでは、従業員に防暑降温手当を支給について報道がされています。これまで当社は支給してまいりませんでしたが、このままで良いでしょうか。

A.1『山東省高温天気労働保護弁法』等の関連規定に基づけば、高温手当は従業員の賃金の一部であるとされています。貴社が当該規定に基づく高温手当を支給しなかった場合、適時満額の労働報酬を支給することを怠る行為と見なされ、以下の法的リスクに直面する可能性があります。

1.労働行政部門から改善命令を受けます。期限を過ぎても改善しない場合、人民幣2,000元以上人民幣20,000元以下の罰金を科されます。犯罪を構成すると見なされた場合には、法に基づいて刑事責任を追及されます。

2.従業員は、このことを理由として、『労働契約法』第38条の規定に基づき、30日前に貴社へ事前通知することなく、直接労働契約を解除することができます。

3.従業員には、貴社へ高温手当の追加支給を要求する権利があります。貴社は従業員に対し、高温手当の支払を拒否した場合、従業員は、労働行政部門へ通報するか法に基づいて労働紛争にかかる仲裁の申し立てを行うことが可能です。

4.従業員が、貴社による高温手当の未払いを不服として労働契約を解除した場合、貴社は更に経済補償金も支給する必要があります。

 

Q.2当社は、毎年夏に従業員へ茶葉を現物支給してまいりましたが、この他に高温手当も支給しなければならないでしょうか。

A.2弊所が把握している情報と『山東省高温天気労働保護弁法』第10条の「使用者は、規定に基づいて、高温天気期間に業務を行うか、露天作業を行う労働者へ衛生基準に適合する充分な清涼飲料水及びアルカリ飲料水を供給しなければならない。提供された清涼飲料水等を以て、防暑降温費と相殺することはできない。」という規定を踏まえますと、使用者は、従業員のため防暑降温に必要な清涼飲料水及び健康用品を提供する以外に、条件に適合する従業員に対して、高温手当を支給する必要があると考えられます。

作成日:2011年08月28日