2026年新ルール:滞納税公告の新たな変化 -NEW-
2025年11月26日に国家税務総局より発表された改正『滞納税公告弁法』(以下「本弁法」という。)が2026年3月1日より施行されます。
本弁法は、2005年1月1日に施行された『滞納税公告弁法(試行)』に対し、20年余りを経て初めて行われた大幅改正であり、これは企業および個人の信用格付けにも重大な影響を及ぼすものとなります。そこで今回は本弁法のポイントをQ&A形式で解説します。
Q1. 滞納税はどのような場合に公告されるか?
A:本弁法の規定によると、滞納税とは納税者が規定の期限を超えて納付していない税金のことをいいます。(『弁法』第2条)
通常、企業または個人に以下のような滞納税がある場合に公告されます。
(1)納税申告後、期限までに納付しなかった滞納税。
(2)納税期限延長後、期限までに納付しなかった滞納税。
(3)税務調査後に追徴課税が確定したにもかかわらず納付していない滞納税。
(4)税務機関が確定した納付すべき滞納税。
(5)その他期限までに納付していない滞納税。
なお、上記の滞納税には延滞金や罰金は含まれません。
但し、以下の例外的滞納税は公告の対象外となります。
・企業破産時に税金を回収済であるが国庫に帰属していない場合。
・既に破産・解散または営業許可取消済の企業。
・破産更生後に未回収の税金。
・国家秘密に関わる企業。
Q2:どのような情報が公告されるか?
A:公告される情報は、公告対象の主体に応じて異なります。(『弁法』第5条)
(1)企業・団体の場合
名称、納税者識別番号、法定代表者または責任者の氏名、身分証明書の種類及び番号、営業場所、滞納した税種、滞納時期、滞納金額、納付済み滞納税に対応する延滞金、延滞開始日、公告機関。
(2)個人事業主の場合
名称、納税者識別番号、経営者の氏名、身分証明書の種類及び番号、営業場所、滞納した税種、滞納時期、滞納金額、納付済み滞納税に対応する延滞金、延滞開始日、公告機関。
(3)個人の場合
氏名、身分証明書種類・番号、滞納した税種、滞納時期、滞納金額、納付済み滞納税に対応する延滞金、延滞開始日、公告機関。
本弁法では新たに「教育費附加・地方教育附加」の滞納分も公告対象に追加されました。
Q3:滞納税公告の情報はどこで確認できるか?
A:従来、企業・団体の滞納税は四半期ごと、個人事業主やその他個人の滞納税は半期ごとに公告されていましたが、現在は一律で毎月公告されています。また、企業・個人の滞納税公告情報は以下のルートから確認できます。
(1)メインルート:税務機関の行政執行情報公告プラットフォーム
(2)サブルート:電子税務局、税務サービス窓口、ニュースメディア、省級税務局は、滞納が特に深刻な企業を重点的に公表することできる。
(3)新規検索ルート:各省級税務局の公式ウェブサイトでも検索サービスを提供。
なお(2)については、税務機関が必要に応じて公表するもので、滞納税がある全ての企業・個人の情報が掲載されるわけではない点に留意が必要です。
Q4:公告前に異議申立できるか?
A:納税者の合法権益保護のため、本弁法では新たな異議処理プロセスが追加され、企業または個人は実際の状況に応じて異議・意見を提出することが可能です。
(1)公告前確認:税務機関は公告前に、納税者へ公告予定内容を通知し、3営業日以上の確認・異議申立期間を設ける。企業または個人はこの期間中に異議申立が可能。
(2)異議処理:公告内容に異議がある場合は、3営業日以内に申立てることができる。税務機関は申立から3営業日以内に確認を行う。
(3)訂正:異議が認められた場合、公告機関は遅滞なく訂正、または公告を撤回する。
◆今後の留意事項
今回の改正は、租税法律主義の徹底と税収業務環境の最適化を図るための重要な施策であり、滞納税公告業務を規範化することによって国税を確保し、納税者の合法権益を保護することを目的としています。特に中小零細企業には、より厳格な税務コンプライアンス要件が課されており、単純に「追加納税」だけでは終わらず、企業の信用格付けや経営に直接影響を及ぼすことにもなりかねません。
本弁法施行後、企業は税務コンプライアンス管理を一層重視し、滞納公告が企業の信用や正常な経営に影響しないよう注意する必要があります。同時に、現地企業及び個人も本弁法が定めたルートを通じて取引先のバックグラウンドチェックを実施し、取引先に税金滞納があるかどうか、または主要責任者・法定代表者の情報について照会することが可能です。
作成日:2026年01月07日
