最新法律動向

貸付利率上限の引き下げ

   8月20日午後、最高人民法院による記者会見が行われ、『民間貸借事件の審理への法律適用にかかる若干の問題に関する最高人民法院の規定』(以下『規定』という)が正式に改定されました。
   『規定』により、民間貸付利率は中国人民銀行が全国銀行間コール取引センターに権限を付与して毎月20日に公布している1年物LPR(貸出基礎金利)の4倍を年利率の上限とし、これを改定前『規定』にて「24%及び36%を基準とする3区分」を設けていた規定に代替することで、民間貸付利率に対する司法保護の上限が大幅に引き下げられました。前記の上限基準を超えるものは、高利貸し行為と認定されることになります。
   日系企業各社や個人で、日常の経営活動や取引の過程において資金の貸し借りが発生する場合、貸出側としては、当月のLPRを参照し、利率があまり高いものは高利貸しと認定され、超過部分は司法機関により支持されないことに留意する必要があります。一方借入側としては、当月のLPRにより確定する貸付金利の法定上限を根拠に、相手先との契約中の利率に関する約定について、さらなる交渉を行うことができます。特に高額の資金融資となる場合には、注意を怠ればビジネスに重大な影響が及びかねません。

作成日:2020年08月21日