最新法律動向

山東省が独占禁止の指針を公布

最近、新型コロナウイルスの感染流行による損失を軽減するために「団結」の手段を選択する企業が出てきていますが、提携の過程では独占行為が起きやすくなります。企業の不適切な行為による損失を防止するため、山東省市場監督管理局より今年4月14日に『山東省経営者独占禁止コンプライアンス指針』と『山東省業界団体独占禁止コンプライアンス指針』が公布されています。
これらのうち、『山東省経営者独占禁止コンプライアンス指針』は全19条からなり、一般経営者が注目すべき独占リスクを紹介したもので、以下の要点を含んでいます。

(1)独占合意行為。主に競争関係にある経営者同士が共同する形で表れ、商品価格の固定又は変更、生産量の制限、再販売価格の固定、販売市場の分割等があり、同業内の数社で値上げ合意を行うといった例がある。
(2)市場の支配的地位の濫用。
(3)法通りに経営者集中の申告手続きを履行しない。感染対策期間中、生存が困難となった一部の中小企業が大企業と合併する等。

独占禁止行為に対する取締りがますます強化されつつある中、企業で商談や商業取引を行うにあたり、事前に弁護士と相談し、不要なリスクや損失の発生を防止することをお勧めいたします。

留意点:
・中国では、独占リスクは大企業に限らず、中小企業にも取引の中で独占の現象が生じることがよくあるため、どの企業でもこの問題を軽視することはできません。製造業、卸売業の企業では、取引時に取引相手から第三者に再販売される商品の価格を固定したり最低価格を指定してはならず、そのような行為があると『独占禁止法』により処罰を受ける可能性があります。
・同業の競合他社との商業取引において、生産コスト、販売価格、取引市場区域、差別的な取引条件等、競争と密接に関連する重要性の高い取引情報には特に注意を払う必要があり、合意内容について事前に弁護士によるリーガルチェックを受けることをお勧めします。

弊所は感染対策期間中も正常に営業しております。ご不明な点がありましたら、ご遠慮なくメールでお問い合わせいただくか、直接ご相談にお越し下さい。ご来所の際は事前に電話又はメールでご予約いただけると幸いです。

作成日:2020年04月17日