最新法律動向

企業の社会保険料納付額が5月より引き下げへ

今年3月5日、国務院は「政府活動報告」の中で、企業の社会保険料負担を顕著に軽減させることを「2019年政府活動任務」に盛り込みました。3月15日には、李克強首相が記者会見上で5月1日からの社会保険料率引き下げを表明しました。3月26日、国務院常務会議で、社会保険料率の引き下げについて複数の具体的関連措置が打ち出されました。
今回の企業社会保険料負担を軽減する改革には、主に以下の3つの内容が含まれています。

1.養老保険料率の引き下げ
現在、中国のほとんどの地域において基本養老保険の納付比率は20%とされており、高い料率が企業の労働力コストを高止まりさせています。企業負担の軽減のため、国は5月1日より都市部従業員基本養老保険の企業納付比率を、もとの規定の20%から引き下げて16%とすることを求め、この制度における20年来最大の下げ幅が実現することになります。

2.社会保険料納付基数の引き下げ
かつて、中国の社会保険料納付基数は、都市部の非個人経営企業の在職従業員の平均賃金額により確定されていましたが、個人経営企業の従業員の賃金水準が相対的に低額であるために、全体の納付基数が高くなる結果となっていました。今回の社会保険料改革では、納付基数の確定をその省の都市部の非個人経営企業及び個人経営企業を加重計算した全対象就業者の平均賃金とするように変え、個人工商業者や流動就業者はその省の平均賃金の60%-300%のレンジ内で、自ら納付基数を選択することができるとされています。

3.失業・労災保険料率の段階的引き下げ政策の実施期限を延長
2018年4月20日、人力資源社会保障部と財政部が合同で公布した『社会保険料率の段階的引き下げを継続することに関する通知』では、労災保険基金の累計残高の支払い可能月数が18~23ヶ月である統一計画地区では、現行料率からさらに20%、支払い可能月数が24ヶ月以上の地区では50%、それぞれ引き下げることができるとし、実施期限は2019年4月30日までとされていました。今回の国務院常務会議では、当該政策の実施期限をさらに1年間延長し、2020年4月末までの実施が有効となります。

上記の三大メリットに加え、国ではなお、各地で零細企業の実際の納付負担を増大させるようないかなる方法もとってはならず、また地方政府が勝手に過去の未納付に対して集中的に全額を納付させてはならないとしています。これらの措置は、従業員の社会保険待遇に影響が及ぶことなく、養老金が期日通りに満額で受給できることを保証するものであり、実質的な企業負担を軽減すると同時に、従業員の権益が損なわれないようにするものともなっています。

作成日:2019年04月19日