法律相談Q&A

企業で「6険2金」を導入するにあたって

Q.青島市の日系企業です。最近、「五険一金(基本保険5種類+住宅積立金)」をベースに追加的な医療保険と企業年金を加え、「六険二金」としている企業が多いとの報道を目にしました。この「六険二金」は、具体的にどういうものでしょうか。

A.「六険二金」とは、「五険一金」に、企業が任意で選ぶ医療保険(以下「任意医療保険」という)と企業年金が加わったものを指します。任意医療保険と企業年金制度は、すでに何年も前から実施・運用されているもので、最近新たに発表された政策に基づくというわけではありません。また両方とも、企業が自ら導入を決定するものであり、法律等によって強制されているものではありません。任意医療保険と企業年金について、以下にご説明します。

 ①保険料の納付方法

任意医療保険には、会社側のみが納付するものと、会社側と従業員側で分担して納付するものがあり、後者の場合、会社が従業員負担分を徴収して代理納付します。任意医療保険の納付総額は、会社の従業員賃金総額の4%(青島市では5%)以下の部分について、直接会社の資金から支出し、会社の費用に算入することができます。

企業年金は、会社側と従業員側で分担して納入し、会社が1年に納入する総額は、会社の従業員賃金総額の8%を超えてはならず、会社側と従業員側が1年に納入する総額、従業員賃金総額の12%を超えてはならないとされています。

 優遇政策

現在、任意医療保険、企業年金制度を導入している企業は、国による一定の税制優遇を受けることができます。企業は、国の関連政策の規定により、当該企業が全従業員のために加入する任意医療保険、企業年金の保険料のそれぞれについて、課税所得額の計算時に従業員賃金総額の5%まで控除することが認められています。企業年金の従業員個人負担分の保険料については、従業員本人の保険料納付賃金の税額計算基数の4%まで、個人の課税所得額を計算する際の控除が認められています。

 留意点

従業員にとっては、任意医療保険は、基本医療保険を補完するものであり、従業員の医療負担を軽減するものとなります。企業年金は、従業員の老後のための蓄えとなり、定年退職後の収入と生活の質の向上につながります。一方で企業にとっては、任意医療保険、企業年金制度の導入は、従業員の定年退職後の生活への配慮を示すものとなり、人材の流出防止や雇用安定への効果が期待できます。また、任意医療保険、企業年金制度を導入する企業は、国の税制優遇政策の適用を受けることができます。任意医療保険、企業年金制度を導入する意向のある企業は、会社の実情を考慮し、法定の民主的手続きを履行したうえで、合理的な社内制度を確立されるとよいでしょう。

作成日:2018年02月13日