法律情報

養老補助一時金について

Q.城陽区にある日系企業です。次の点について詳しく教えてください。

・養老補助一時金に関する法律規定及び実務における取り扱いについて
・協議によって労働契約を解除した場合でも、使用者は養老補助一時金を支給すべきか

A.養老補助一時金については、次の2通りの状況に分けて対応を考える必要があります。

1.従業員が正常に定年退職した場合

『人口計画出産法』第27条第2項の規定によれば、「一人っ子父母光栄証」の交付を受けた夫婦は、国及び省、自治区、直轄市の関連規定により一人っ子の父母としての奨励金を受給できるとされています。『山東省人口計画出産条例』第30条第1項第2号と『青島市人口計画出産業務に関する若干の規定』第23条第2号の規定により、「一人っ子父母光栄証」を交付された一人っ子の父母が企業の従業員である場合、定年退職時には、勤務先より青島市の前年度における従業員年平均賃金の30%にあたる養老補助一時金が支給されることになっています。
このように、青島市の使用者は、「一人っ子父母光栄証」の交付を受けた従業員が定年退職する際には、養老補助一時金を支給する必要があるとされています。その具体的な金額は、前年度における従業員年平均賃金の30%とされています。統計機関では、毎年6月頃に前年度の従業員年平均賃金を発表します。前年度のデータ発表の前に養老補助一時金を支給することになった場合は、暫定的に前々年度のデータで計算のうえ支給しておき、前年度のデータが発表された後で差額を補填することができます。
例:2016年度の青島市在職従業員の年平均賃金:58,917元。
よって、養老補助一時金は、58,917元 × 30% = 17,675.1元となります。

2.受給条件を満たさない場合

養老補助一時金の受給条件の一つが、「定年退職時」とされていることにより、実際には使用者が(意図の有無を問わず)リストラを実行したり、或いは従業員との協議を経て労働契約を解除し、従業員の定年退職を待たずに労働契約を解除したために、養老補助一時金を受給できない場合があります。このような場合、『青島市事業者人口計画出産業務責任規定』第13条第5号の規定により、「一人っ子父母光栄証」の交付を受けており、勤務先で連続した満15年にわたり勤務し、法定の定年退職年齢までの年数が5年未満となっている従業員には、勤務先企業の人員削減もしくは従業員との協議による労働関係解除に該当する場合は、労働契約解除時の青島市の前年度従業員年平均賃金の30%にあたる養老補助一時金が支給されます。
また、2016年1月1日から、計画出産政策が変更され、以後は「一人っ子父母光栄証」が交付されないことになりました。このため、「それぞれの所属期間に応じて新旧の政策を適用する」という原則のもと、2016年1月1日より前に一人っ子を生んだ父母に対しては、旧政策を適用して養老補助一時金等の関連奨励金が支給されますが、2016年1月1日以降に一人っ子を生んだ父母に対しては、養老補助一時金等の関連奨励金は支給されないことになっていますので、ご注意ください。

作成日:2017年07月21日