最新法律動向

今後、北京での外資系企業登記を全過程で電子化 「弁護士代理」モデルを導入

これまでは、外国人株主が北京で起業しようとしても登記をウェブ上で実名認証することはできず、必要書類の確認も複雑でした。しかし今後は、こうした悩みが一掃されそうです。北京では、外資系企業の設立登記に全過程電子化を実施し、「弁護士代理」モデルを導入して、外国人株主が「専門のサービスにより、自ら窓口に出向くことなく営業許可証の手続ができる」ようになるそうです。

   4月19日、北京市の外資系企業設立登記における全過程電子化が正式にスタートしました。北京市工商局登記登録処の許澤楠副処長によれば、外資系企業の設立登記における全過程電子化においては、ビックデータ、クラウドコンピューティング、移動体通信等の先端技術を通じてインターネットと工商登記を融合させて「弁護士代理」モデルを導入し、依頼を受けた弁護士が「代理人」となりウェブ上で外資系企業の設立申請を代行し、さらには株主の身分確認及び申請書類の真実性、適法性について法律面の意見を提示するとの事です。

 現在の制度及び技術的条件のもとでは、外国人株主はウェブ上での実名認証ができないほか、外資系企業の設立に際して準備しなければならない書類は複雑で、外国側株主の資格確認書類においても国や地域の違いによる差が大きく、書類そのものの煩雑さが、審査効率の足かせとなっていました。

副処長によると、「弁護士代理」モデルを導入することで、外国人株主が中国国内の弁護士に代行を依頼できるようになるだけでなく、実務操作レベルでオンライン申請の実行可能性が見えてくるようになります。また弁護士が適法性、コンプライアンス性という観点から外国側株主の身分確認書類について法律面の意見を提示することは、行政審査過程に対する有益なサポートになると述べています。

副処長は、今回スタートした登記登録の「ペーパーレス化」により、会社名称の予備審査から登記申請書の提出、審査に通過した電子営業許可証の交付、電子ファイリング迄が全面的にペーパーレス化され、代理弁護士が全過程をウェブ上で操作できるようになることを強調しました。

このほか、外資系企業は19日から、商務届出と工商登記の「ワンストップ受理」サービスの便宜を利用できるようになります。即ち、国の規定で参入特別管理措置の実施対象とされる外資系企業に該当しない場合、設立と変更の段階で、外資系企業の商務届出と工商登記に必要な情報と書類を整理した「電子フォーム」が北京市商務局と工商局により作成されます。外資系企業は、工商局のウェブサイト上の登記ページで記入することで、商務届出と工商登記を一回で完了させることができます。手間のかかる作業をデータに任せることで申請者の手続作業の負担が減らされ、設立の計画準備段階から企業が実際に市場へ参入するまでの時間が更に短縮されるようになります。

今後、北京市工商局は、複数証明書の一本化、会社登記の全過程電子化、名称登記制度において新たな改革を行い、投資企業への更に効率のよい、便利な公共サービスの提供に取り組むとしています。

(中国ニュースネットより)

 

作成日:2017年05月16日