最新法律動向

新広告法の施行から1年、代表的な違反ケース10件!

2016年8月31日、国家工商総局は、新広告法施行一周年の記者会見を開催した。この席上、ニュースメディアに対し、この一年間に捜査のうえ、処分した10件の代表的なケースを発表した。「法制日報」記者が把握しているところでは、これら10ケースは様々な業界と分野をカバーするものではあるが、捜査のうえ、処分された事件の制裁金額は、けして最高額ではない。その具体的なケースは、次の通りである。

 1.「車易拍」における違法な広告のケース。

当事者は、自らのホームページ上で「全国規模でハイスピードのオークション、スピードが速く、価格差なし」、「高額安心、透明な取引で早い」等の広告宣伝文句を使用していた。しかし捜査の結果、当事者には、その経営活動の中に価格が不透明だったり、オークションの流れが不透明で、売買双方に多くの操作端末があり、売り手が受け取った自動車売却代金は、買い手が支払った自動車購入代金の総額より低い等の問題が存在しており、広告内容と事実が合致しておらず、なお且つこの事実を消費者に明示していないため、詐欺や、消費者をミスリードしている疑いがあった。このため北京市の工商機関は、2016年6月当該虚偽広告に対し、200万元の制裁金を科した。

2.「誠信貸」における違法な広告のケース。

当事者は、PC端末とスマホアプリ端末、カラーパンフレット、経営場所に看板を設置する等の方法を通じ、広告にて「100%本金保障」、「ノーリスクの手堅い儲け、100%元金收益保障」、「100%元利担保」、「1,000万元のリスク準備金」、「トップブランド」等と宣伝していた。捜査した結果、広告主は、1,000万元のリスク準備金を準備してはおらず、広告内容は嘘だった。また、違法な保証的誓約をしているだけでなく、アプリ端末、カラーパンフレット等の広告ルートを通じてノーリスクと宣伝していた。このため、北京市の工商機関は、2016年6月、法に基づき当該会社が違法な広告を掲出することを停止するよう命じ、影響を取り除き、20万元の制裁金を科した。

3.清風トイレットペーパーが未成年者を広告マスコットに使用していたケース。

当事者は、現地の某スーパーマーケットの若干の店舗内で清風トイレットペーパー広告看板広告を掲出した。広告の中には10歳未満の未成年者Kimi Linを広告マスコットとするイメージが含まれていた。当事者が販売していた商品パッケージ上にもKimi Linのイメージが含まれていた。このため、上海市の工商機関は、2016年5月、広告主が関連する違法な広告の掲出を停止し、対応する範囲内で公開にて不正を糾し、影響を取り除くよう命じ、なお且つ10万元の制裁金を科した。

4.「正官福」なまこにおける違法な広告のケース。

当事者が掲出した「正官福」なまこ広告は、比較広告の方法を通じ、遼寧なまこについて「いわゆる天然物の多くは、海水で養殖したものに過ぎない」と宣伝し、遼寧なまこにあしらえた背景画もこの主張に沿って専門的にデザインされたもので、遼寧なまこは汚染されている環境で成長していることを暗示させ、品質は自ら経営している韓国の同種のなまこ商品に及ばないのに、同業他社の経営者の商品の品質を過少評価していた。当該広告の中の関連内容には、事実を証明する根拠がなく、関係者を誤解させるに充分であり、他の経営者に対して不公平な競争を仕掛けており、悪影響を及ぼしていた。このため、遼寧省の工商機関は、2015年12月、広告主へ関連する広告掲出の停止を命じ、なお且つ15万元の制裁金を科した。

5.南電商城」における違法な広告のケース。

当事者は「赣南電商城」の広告を掲出した。うち、「9月25日、馬雲(中国のビジネス界の有名人)が赣南電商城に降臨!」というキャッチコピーで、大胆に虚偽の宣伝を行い、なお且つ広告の中で大々的に「最」という絶対的用語を使用し、不動産の所在地からバス停、列車駅、高速出入口までの所要時間を場所の位置表示に使用していた。これは、『中華人民共和国広告法』第4条第1項、第9条第(3)号、第26条第(2)号の規定に違反している。このため江西省の工商機関は、2016年5月、広告主へ違法な広告を掲出することを停止し、対応する範囲で公開にて不正を糾し、影響を取り除くよう命じ、なお且つ40万元の制裁金を科した。

6.「老倪膏薬」における違法な広告のケース。

「老倪膏薬」は、広告において「軽症なら1回か2回の治療、重症でも3回か5回の治療で全快」という、効能の保証を含む誓約を行い、「百年余りの伝統継承秘方と近代加工技術により精製した」等の内容は、不実であり、宣伝していた効能は、明らかに許可されていた製品の適用範囲を超えていた。このため、浙江省の工商機関は、2016年2月、広告主へ関連する違法な広告の掲出の停止し、対応する範囲内で公開にて不正を糾し、影響を取り除くことを命じ、なお且つ80万元の制裁金を科した。

7.蘭州中医白癜風医院における違法な広告のケース。

当事者は、自らのホームページ上及び屋外LED看板等の方法を通じて医療広告の中に医療技術、診療方法の宣伝を行い、「蘭州中医白癜風医院は、西北地区で最大規模の白癜風専科医院」等の広告を掲出し、『中華人民共和国広告法』及び『医療広告管理弁法』の関連規定に違反した。このため甘粛省の工商機関は、2016年7月、広告主に対し22.04万元の制裁金を科した。

8.湘潭県テレビ局のCMにおける違法な広告のケース。

湘潭県テレビ局が掲出した薬品、保健用品の広告には、違法な処方薬広告が沢山含まれていた。審査を受けずに薬品広告を掲出し、効能、安全性を断言するか保健用品の中では疾病治療機能を保証する等が含まれていた。こうした違法な広告を何度も現地のテレビ局で放送し、悪影響を及ぼした。このため湖南省の工商機関は2016年7月、直ちに違法な広告の掲出を停止するよう命じ、広告料合計5万元を没収し、30万元の制裁金を科した。

9.湖南盛大金禧における違法な広告のケース。

当事者、湖南盛大金禧金融服務有限公司は、その店内での宣伝、ビラ散布等の形式で社会へ投融資広告を行った。広告の中では虚偽の事実と存在しない企業グループ、国家機関、国家機関の従事者の名義とイメージを使用し、『中華人民共和国広告法』第3条、第4条及び第9条第(2)号、第(11)号等の規定に違反した。このため湖南省の工商機関は、2016年1月、法に基づき直ちに違法な広告の掲出を停止するよう命じ、なお且つ60万元の制裁金を科した。

10.三亜蘇荷洋食バーにおける違法な広告のケース。

当事者三亜蘇荷洋食バーは、広告の中で「アナタの誘惑を待っている」、「いつでも誘惑して」等の社会の公序良俗に違反する俗悪な文字を使用し、「いつでも誘惑して」という文字があしらわれたコンドームの絵柄とエロチックな意味を帯びたキャラクターを展示した。関連広告は、『中華人民共和国広告法』第9条第(7)号、第(8)号の規定に違反している疑いがある。このため海南省の工商機関は、2016年5月、法に基づき違法行為の停止を命じ、広告主に対し20万元の制裁金を科された。

(法制ネットより)

 

作成日:2016年09月13日