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ーHOT NEWSー☆☆外国人永住サービス管理の強化についての意見』政策の解読及び影響

背景

現在、中国の人口ボーナスが徐々に消え去ろうとしていくなか、外国のハイレベルの人材の導入と投資を促進し、中国経済の発展を促すため、国務院弁公庁は2月18日に『外国人永住サービス管理強化についての意見』(以下「意見」という。)を公布し、外国人の永住サービス管理制度を改革しました。

「外国人の永住」とは

これは、外国人が中国で無期限に滞在できることを指しています。これまで、中国のグリーンカードを申請するための条件は高く、また現時点では中国のグリーンカード取得者も他国に比べて多くありませんでした。

「意見」改革のポイント

1. グリーンカード発行の範囲を拡大し、申請条件が緩和されました。

(1)就労型の永住

これまでは職務レベルにより制限のあった外国人の永住資格等の申請のハードルを大幅に下げ、滞在時の制限要請を緩和し、就労する事業者の範囲を拡大しました。

(2)在中投資型の永住

評価要素を多元化し、投資した年数、金額、方法等、申請基準をより柔軟にしました。

(3)家族のために滞在する型の永住

家族のために滞在を行う滞在者の永住申請の種類、滞在年数の条件を緩和しました。

(4)外国の優秀な留学生の在中勤務制限及び国家重点的に人材を導入しようとしている永住申請条件の緩和。

2.「外国人永住証」関連の待遇を整備

中国で就労する外国人の就労許可の免除、技術職へ就任するための資格試験への参加、社会保険、住宅積立金等への加入、住宅購入、金融業務等の面での内国民待遇など、グリーンカード所持する外国人の在中勤務、生活等の面での待遇を更に整備します。

3. 永住資格取消のケースと手続きを整備し、国の安全と利益に危害を齎し、詐欺行為により永住資格を騙し取った者等に対しては、法に基づいて永住資格を取り消し、一定期間永住資格の再申請を制限します。

この「意見」は永住資格の申請範囲、条件等の改革に一連のガイドラインを示すもので、ある程度外国人の永住資格申請のハードルを下げ、中国政府が外国の人材導入を重視していることを示すものと言えるでしょう。しかし、注意が必要なのは、この「意見」は政策を行ううえでのガイドラインに過ぎないということで、具体的で徹底した施行には、各地の所管機関による「意見」への理解と各地政府の公布する法令の規定により取り扱う必要があります。弊所が把握している情報に基づけば、グリーンカードの申請をされることをお望みの場合には、引き続き関連政策の公布に注目していただく必要があります。

作成日:2016年03月17日