最新法律動向

建築市場の統一・開放の推進 ― 新政策が来年より施行へ

企業から強く改善が求められている市場の壁という問題について、2013年に公布された『建設企業が省を跨いで行う請負業務の監督管理業務を着実に行うことに関する通知』を元に、住宅建設部は先頃『建築市場の統一・開放を推進することに関する若干の規定』(以下「規定」という。)を印刷・発行し、更に開放の統一を促進し、競争に秩序のある建築市場システムを形成し、建築企業の発展に優れた市場環境を生み出すこととした。「規定」は、2016年1月1日から施行される。

企業:情報を報告しさえすれば「地元」待遇を受けられるように
「規定」によれば、各級住宅建設所管機関は、手続の簡素化・権限の委譲により、企業への利便性を高め、管理を制度化するという原則により、前段階の管理を簡素化し、実施中・実施後の監督管理を強化し、地方の建築企業と地元の建築企業を同等に扱い、統一した市場の監督管理を実行し、建築市場の統一的な開放を推し進めることとした。
省を跨ぐ請負業務を行う場合、建築企業は法定代表者の委任状を持参して工事所在地の省級住宅建設所管機関へ企業基本情報を報告する。所管機関は、建築企業が報告した基本情報を受け取った後、速やかに全省統一の建築市場監督管理情報システムに組み入れ、当該地区の各級住宅建設所管機関へ通告し、社会へ向けて公示する。企業の基本情報を登録した後、工事所在地の省級行政区域内の請負業務が行えるようになる。省級行政区域内の各級住宅建設所管機関は、建築企業へ再度の情報の報告を要請したり、毎年度情報を報告するよう要請してはならない。
説明によれば、住宅建設部は、中国全土の建築市場監督管理と与信情報発表のプラットフォームの立ち上げを通じて、各省級プラットフォームをドッキングさせ、各地の建築市場監督管理及び与信行為情報を統一的に公開するという。中国全土の建築市場監督管理と与信情報発表のプラットフォームにより検索可能な情報について、省級住宅建設所管機関は情報システムを通じてチェックを行うものとし、今後は建築企業へ紙の書類の提出を求めないものとする。建築企業が「規定」施行日迄に省を跨ぐ請負業務の届出を既に行っている場合、規定に基づいて情報を変更するほか、如何なる事業者又は個人も企業へ改めて情報の提供を求めてはならない。

地方所管機関:9種類の行為を厳禁へ
「規定」は、地方各級の住宅建設所管機関が建築企業の省を跨ぐ請負業務の監督管理業務において、直接又は形を変えた次の9種類の行為を行ってはならないことを強調した。
1.無断で如何なる審査認可、届出事項又は告示条件を設定すること。
2.法律法規に根拠のない如何なる費用又は保証金等を受け取ること。
3.地元以外の企業が地元に独立子会社又は分社を設立することを求めること。
4.地元以外の企業と人員から関連する証明書類を強制的に差し押さえること。
5.地元以外の企業の登録所在地の住宅建設所管機関又は上級の所管機関へ関連証明書の発行を求めること。
6.資格のレベルを地元以外の企業が地元での業務を請け負う条件とすること。
7.地元での工事請負の業績、地元での褒章状況を企業が地元市場への参入条件とすること。
8.企業の法定代表者が省(市)へ直接出向いて手続するように要請すること。
9.その他、企業の自主的な経営、公平な競争を妨げる行為。

監督管理:ポイントは、事前から実施中・実施後へ
各省級の住宅建設所管機関は、地元の建築市場での監督管理情報プラットフォームにおいて、落札企業(直接請負方式を通じて決定された請負企業を含む。)プロジェクトチームメンバー情報を統一的に公表し、落札情報と現場での取締や査察と結びつける。建築市場の監督査察の際は、プロジェクトチームメンバーと落札情報の不一致、プロジェクトの責任者の不履職、建築企業が多くのプロジェクトの責任者を交代させている等の行為をポイントに査察を行う。法により建築企業の請負、名義貸、違法な下請等の違法規則違反行為を調査のうえ、処分する。著しい法律や規則に違反する行為が発生したか、企業の基本情報を報告した際に虚偽の報告を行った建築企業は、工事所在地の省級住宅建設所管機関がブラックリストへ組み入れ、市場への参入禁止等の措置を講じ、同時に住宅建設部へ報告し、中国全土の建築市場監督管理と与信情報発表プラットフォーム上で社会に向けて公表する。
工事所在地の省級住宅建設所管機関は、速やかに地元以外の建築企業が地元で請負業務活動を行う中で存在した違法規則違反行為等の情報を通報する。登録所在地の省級住宅建設所管機関は、積極的にその他の省(市)と協力し、地元の建築企業の資格、スタッフの資格等の関連情報をチェックし、建築企業が省を跨ぐ請負業務を行う中で発生する違法規則違反行為の処理に協力し、連動的な監督管理を実現する。
(住宅建設部ウェブサイトより)

作成日:2015年10月20日