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中国二大アパレルメーカー間の知的財産権訴訟、決着へ

 

中国における二大アパレルメーカー、広東大哥大集団有限公司(以下「大哥大」という)と三六一度(中国)有限公司(以下「三六一度」という)との間における知的財産権訴訟が、二年余りの年月を経て漸く決着を見た。

  2012年、山東省海陽において開催された第三回アジアンビーチゲームズにおいて、大哥大はオフィシャルスポンサーに選ばれ、スタッフの制服、役員用中国伝統服、礼服及び運転手のユニフォーム等を制作した。

2012年4月、福建省にある三六一度は、自らのオフィシャルサイト及びオフィシャルミニブログ(微博)において、大哥大が設計した「アジアンビーチゲームズ」の制服、礼服のデザイン画及び発表会用衣装の展示写真を使用していたことが発覚した。

  2012年末、大哥大は虚偽宣伝の疑いによる不正競争及び著作権侵害を理由に、福建省泉州市中級人民法院に三六一度を提訴し、当該公司に対し、オフィシャルサイト、新浪ミニブログ及び騰訊ミニブログにおいて使用している権利侵害の疑いのある写真を削除のうえ、公に謝罪するとともに、経済的損失として100万元の賠償請求を支払うよう申し立てた。

泉州市中級人民法院の一審判決では、大哥大側は敗訴した。これを受けて、大哥大は福建省高級人民法院に上訴した。

  福建省高級人民法院は審議において、以下のとおり認定した。すなわち、両社の間には「アパレル製品の生産販売分野における競業関係」にあり、三六一度は大哥大がデザインした正装、礼儀服に関する写真を使用したことにより、消費者を混乱させ、大哥大が「アジアンビーチゲームズ」等のスポーツ競技会のスポンサーになることによって、企業の露出度、知名度をアップさせる狙い、および自社商品の販売拡大等の商業目的を妨げた可能性がある。従って、福建省高級人民法院は終審において、三六一度にオフィシャルサイト、ミニブログにおける案件に関わる内容を削除のうえ、大哥大に経済損失金として30万元を賠償するよう命じた。

  最近、広東大哥大集団有限公司の責任者は、既に三六一度は大哥大に30万元の経済損失金を支払ったと記者に話した。

  調査によれば、大哥大は広東省にある老舗アパレルメーカーであり、30年来、全国における公安局・検察庁・裁判所、工商、税務、航空、鉄道、電力及び各レベルのスポーツイベントにおける制服の設計及び制作を行ってきた。現在、当該グループの業務はDKD服飾、金取引、金貨、バイオテクノロジー、現代農業等多分野に及ぶ。三六一度は主に中国において、シューズ、ユニフォーム、アクセサリ等を含むスポーツ用品の製造及び販売を営む企業である。

 (法制日報より)

作成日:2014年11月25日