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外国による不当域外管轄措置に対する新規条例の施行 -NEW-

   4月13日、国務院が公布した『中華人民共和国反外国不当域外管轄条例』(以下、『条例』という。)が即日(2026年4月13日)施行されました。以下に、本『条例』の主な内容と留意点をまとめます。

1. 本『条例』は不当域外管轄のみを規制
   本『条例』は、外国による不当な域外管轄に対し、中国政府当局が相応の報復措置および制限措置を講じることができることを規定しており、これには一部の国による「ロングアーム管轄」の濫用を防ぐ目的があります。一方で、国際法および国際関係の基本原則に違反しない合法域外管轄に対しては、報復措置や制限措置は講じません。(『条例』第3条)

2. 不当域外管轄への対応メカニズムを明確化
   本『条例』では、以下のような不当域外管轄への対応メカニズムが明記されています。
(1)国務院の法治部門が関係機関と共同で、調査および対外協議を通じ、不当域外管轄措置の識別を行う。(『条例』第5条)
(2)国務院の法治部門は識別した状況をもとに、執行禁止令(いかなる組織・個人に対しても不当域外管轄措置の執行またはその執行への協力を禁止する命令)を出すか否か、また報復措置および制限措置を講じるか否かを決定する。(『条例』第6条)
   また、本『規定』では執行禁止令制度および当該禁止令違反への処罰条項が設けられているほか、条件付きの免除制度も設けられています。つまり、国務院の法治部門を通じて域外管轄措置の執行が真に必要である旨の申請を提出し、事実・理由・執行範囲を提示した上で承認を得て執行するという方法も、コンプライアンスに沿った対策の一つとなります。(『条例』第6条、第11条、第17条)

3. 複数の報復措置および制限措置を詳細に列挙
   本『条例』には、外国の組織または個人が外国による不当域外管轄措置の実施を推進もしくは実施に関与した場合、「悪意のあるエンティティリスト」に掲載される可能性があり、同時に一つまたは複数の報復措置および制限措置が講じられると定められています。報復・制限措置には以下のようなものが挙げられます。
(1)中国国内にある動産、不動産および各種財産の封印、差し押さえ、凍結。
(2)中国国内の組織・個人によるデータ・個人情報の提供、または取引・協力の 禁止、制限。
(3)中国国内における投資の禁止、制限。
   また、この報復・制限措置は、「悪意のあるエンティティリスト」に掲載された組織や個人だけでなく、その組織・個人が実質的に支配している、もしくは設立・運営に参与している関連会社も対象となるという点に注意が必要です。(『条例』第8条)

◆日系企業の留意点
   本『条例』は多くの報復措置や制限措置を定めていますが。いくつかの免除メカニズムを設けることで透明性を高めており、企業による具体的な運用を容易にしています。
また、本『条例』は外資系企業に新たなコンプライアンス要件を課すものでもあるため、現地法人が中国法を遵守することに加え、その親会社も中国企業との取引において外国からの制裁を理由とした一方的な契約違反や差別的措置を回避するよう注意する必要があります。同時に当局が公布する制限や報復措置の関連内容を適時把握することも極めて重要です。

作成日:2026年04月22日