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汚職・収賄および業務上横領に関する最新の解釈(二) -NEW-

   2026年4月10日、最高人民法院と最高人民検察院は『汚職・収賄刑事事件の処理における法律適用の若干の問題に関する解釈(二)』(法釈〔2026〕6号、以下『解釈二』という。)を発表しました。本『解釈二』は2026年5月1日より施行されます。
   本『解釈二』は、2016年の『汚職・収賄刑事事件の処理における法律適用の若干の問題に関する解釈』の条項に大幅な修正と調整を行っており、企業、特に民間企業および外資系企業の汚職に対する処罰に大きな影響を及ぼしています。そこで今回は、本『解釈二』の主な変更点についてご紹介いたします。

1. 民間・外資系企業に関する汚職の犯罪成立要件および量刑基準を大幅引き下げ
   中国の刑法は、長年にわたり企業の汚職に対して「所有制の差異」を設けており、国有企業に対しては厳格な規制を、民間企業および外資系企業に対しては比較的緩やかな規制を適用してきました。例えば、2016年の司法解釈では、国家職員以外の者が収賄を行った場合、その立件・訴追基準は収賄罪(国家職員の収賄は3万元で立件可能)の2倍、すなわち6万元を基準として適用すると規定されていました。
(注:2022年に最高人民検察院および公安部が公布した『公安機関の管轄する刑事事件の立件・訴追基準に関する規定(二)』の第10条により、当該立件・訴追基準は3万元に引き下げられました)
   一方、『解釈二』は、このような差異を撤廃し、非国家職員の収賄罪(刑法第163条)と贈賄罪(刑法第164条)、業務上横領罪、資金流用罪の成立および量刑基準を、国家職員に対する収賄罪、贈賄罪、汚職罪、公金流用罪と統一し、2倍や5倍の基準を廃止しました。(『解釈二』第8条)
   簡潔に言うと、『解釈二』の施行後は、高級管理職または一般従業員を問わず、以前は「内部紛争」とみなされたり、犯罪の基準に達しないとされたりした行為であっても犯罪を構成し、刑事責任を問われる可能性があります。同時に、金額が同じであっても、新規定の下では以前よりも重い刑罰が科される可能性があります。

2. 食品、医薬品、金融などの特定分野における「厳格な」適用要件の追加
   本『解釈二』では、食品、医薬品、金融、安全生産などの分野で発生した贈賄類の犯罪は「情状が重い」とみなされることになり、犯罪の成立基準および量刑基準がより厳格化されます。例えば、法人への贈賄罪において、個人の贈賄額が20万元以上、企業の贈賄額が40万元以上の場合、立件・起訴の基準を満たすことになります。しかし、当該行為が医薬品の購入・販売、食品の生産・販売、金融審査などの特定分野で発生した場合、個人が10万元以上、企業が20万元以上で立件・起訴の基準を満たすことになります。(『解釈二』第2条)
   これは、上記の特定分野で発生する贈賄類の犯罪(国家公務員や国有企業などへの贈賄)について、個人および企業が罪に問われるリスクが大幅に高まることを意味します。

◆日系企業へのアドバイス
   本『解釈二』は、ある程度の範囲において、異なる所有制の企業に対する保護の平等性と、不正行為に対する「同罪同罰」を体現しているものの、企業の内部コンプライアンスやガバナンスおよび不正防止に対して、より高い要求を課すものとなっています。不正の調査や証拠の保全、事情聴取などには高度な専門性と実務的スキルが必要となるため、調査や聴取の方法が不適切だった場合は、かえって法的リスクを招く恐れがあります。そのため、必要に応じて専門家への依頼が必要となるほか、高級管理職や担当部署の管理職に対するコンプライアンス研修の強化も極めて重要となるでしょう。

作成日:2026年04月15日