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朗報:個人の信用修復に関する新政策 -NEW-

   2025年12月22日、中国人民銀行は「信用修復政策の一括実施に関する要領の通知」を発表しました。本通知は、信用状態が悪化しているものの積極的に返済を行っている個人の信用の再構築と回復を支援するものです。そこで今回は、本通知の要点を簡潔にご紹介いたします。

Q1:政策の適用対象となる延滞情報とは?
A1:今回の一括信用修復政策は、以下の4つの適用条件をすべて満たす必要があります。
(1)対象:個人の金融信用情報基本データベース(中国人民銀行信用情報システム)に表示されている信用貸付延滞情報に限る。
(2)期間: 2020年1月1日から2025年12月31日までに発生した延滞情報に限る。つまり、新型コロナウイルスのパンデミック以前に発生した延滞は本政策の対象外となる。
(3)金額:延滞金額が1件あたり1万元を超えない
(4)前提:2026年3月31日(当日を含む)までに延滞債務を全額返済している。
   本政策は上記の4条件を満たせば貸付機関や融資種別を問わないため、クレジットカードや住宅ローン、消費者ローンなど各種信用商品の延滞情報も対象となります。
   ただし、企業は本政策の対象外となることに注意が必要です。また、本政策は中国国籍だけでなく外国籍にも適用されるため、外国籍者の日常生活における少額の消費の延滞にも適用されます。

Q2:自ら申請する必要はあるか?
A2:個人による申請や手続きは不要です。この一時的な信用修復政策は「申請不要で自動的に適用」され、証明書類の提出も不要です。費用は一切発生せず、第三者の代理も必要ありません。中国人民銀行の信用情報システムが条件を満たす延滞情報を自動的に識別し、一括処理します。つまり、このカテゴリーの信用修復について、第三者への委託費用などは必要ありません。

Q3:延滞情報の表示変更はいつ確認できるか?
A3:条件を満たす延滞情報は、個人の延滞債務の完済時期に基づき以下の2つのケースに分けて処理され、表示が変更されます。
(1)2025年11月30日(当日を含む)までに延滞債務を全額返済した場合、2026年1月1日より信用情報システム上での関連延滞情報が非表示になる。
(2)2025年12月1日から2026年3月31日までに延滞債務を全額返済した場合、翌月末までに信用情報システム上での当該延滞情報が非表示になる。例えば、2026年1月中に債務を完済した場合、関連する延滞情報は2026年2月末までに正常な返済状態として表示される。

◆今後の留意事項
   返済不足や返済漏れにより信用修復条件を満たせないことがないよう、返済前に融資機関などと清算金額(元金、利息、延滞金及び当月返済額を含む)を確認することが重要となります。
   また、今回の信用修復の一括措置は、特別な時期における段階的な支援策であり、本通知で明確に定められた特定の期間内に発生した信用情報のみが対象となります。そのため、2026年1月1日以降に新たに発生する信用情報には適用されません。今後の業務や生活においては、過度な借り入れや複数機関からの借り入れを避け、期日通りに全額返済し、良好な信用記録を積み重ね、信用へ悪影響を及ぼさないよう注意しましょう。

作成日:2025年12月26日