農産物の「合格証」に関する新ルールが施行開始
2025年12月12日に農業農村部より公布された『農産物品質安全達成承諾合格証管理弁法』(以下「本弁法」という。)が、2026年2月1日より施行されています。
これは、今後は野菜や果物などを栽培・加工・販売する企業または大型量販店などが扱っている野菜・果物・水産物などの一般的な農産物に「合格証」をつけることが義務付けられることを意味します。本稿ではその概要を手短に解説いたします。
1. 企業ごとに異なる留意点
簡単に言うと、野菜(人工栽培のキノコを含む)、果物、家畜、養殖水産物(天然漁獲物を除く)など7大カテゴリーの農産物の生産・販売・加工に携わる企業は、すべての農産物について、品質安全基準を満たしたことを示す合格証の発行や確認が必要となります。これは、それらの農産物に禁止農薬や動物用医薬品の使用がないこと、一般的な残留薬物基準をクリアしていることを保証するものとなります。
下記の通り、実務における留意点は企業ごとに異なります。
(1)生産側(農家/生産基地):出荷前に検査結果に基づき合格証を自ら発行する。
(2)加工販売側(スーパーマーケット/ECサイト/加工工場):入荷時に供給業者の合格証を確認する。農産物を混装・小分けして販売する場合も合格証を発行する。記録は少なくとも6か月保管する。
(3)上記企業との提携側:合格証の発行・確認義務はないが、取引先が罰則を受けた場合のサプライチェーンへの影響に留意する必要がある。
なお、農産物を生産者から直接調達せず、間接的に調達(例:スーパーが他の販売業者から再調達するなど)する場合も本弁法の適用対象となるか否かは、個別に分析・評価する必要があります。
2.個人と企業双方のメリット
本弁法の施行は、農産物などの食品に対する国の監督管理強化を意味しており、中国に住む中国人および外国人全てに影響を与えます。国が農産物などの食品を重視することは、今後の政府当局による監督管理傾向を示すものでもあります。また、私たち個人が口にする農産物の品質安全が今後保証されることは、生活水準の向上に繋がるだけでなく、社会構造の不断の変化を読み取る材料にもなります。
加えて本弁法は、長期的に見て市場公平性をより高めるものであり、コンプライアンス遵守に努める企業が競争力を一段と高め、消費市場シェアを拡大することも期待できます。
本弁法の新ルールは企業の日常的な運営管理に関わるだけでなく、関係政府当局との個別案件の交渉や状況説明において一定の複雑さと専門性を伴うため、現地弁護士と事前にコミュニケーションを取り、的を絞った対策スキームを策定することをお勧めいたします。
作成日:2026年02月03日
