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新『商標法』審議通過、賠償金の上限は300万元に

 ボイス・オブ・チャイナ「中央ラジオニュース」の報道によれば、先月、第12期全人代第4回会議により、新たに修正された『商標法』が審議の上、通過した。現行の商標法は1983年3月から施行されているが、過去20年間、全人代常務委員会は『商標法』に対して3回の修正を行っている。今回審議を通過した新『商標法』の主な特徴は以下の3点である。

1.審査期間を初めて設定
 期間を設けることにより商標検査の効率が向上することが期待されている。これまで商標審査期間について企業より多くの意見が出されていた。今回は商標審査について基本的に9ヶ月または12ヶ月で審査を終了すると規定し、特殊な場合に限り承認を経た上で3ヶ月から6ヶ月延長できるとした。2000年の時点で中国の商標出願件数22.3万件に対して、実際に審査された数は18.7万件で、この当時から審査の遅れが始まっていた。2007年末の時点で商標出願の未申請は既に180万件余りとなり、審査にかかる時間は3年を超えていた。これは各方面から不満の声を招いていたが、3年間の抜き打ち検査を通じ、2010年12月に整理が完了した。そのため今回の修正における審査期間の設定は、現在の商標局の審査能力に対する大胆な試みであり、大衆の声と切迫した需要に応えるものと言える。

2.周知商標の保護への更なる強化
 周知商標が濫用されるケースは極めて多いため、今回周知商標の定義について明確に限定し、関係者が商標権者を熟知し、その権利が侵害されたとき、法に基づく規定により周知商標の保護を請求することができるようになった。また、周知商標の認定について判断の根拠を与えることができるようになった。例えば大衆の当該商標の知名度が高いかどうか、当該商標の継続使用期間と広告の継続期間、周知商標として保護を受けた記録等で判断する。周知商標の保護という点でも厳格な規定を設けた。生産者と経営者は周知商標の文字を商品、商品パッケージ、容器上もしくは広告宣伝、展覧会およびその他の商業活動に用いてはならず、濫用防止を図るものとなった。

 3.商標権利侵害行為の処分を強化
 現行の『商標法』に比べ、賠償額が6倍以上となった。現行の賠償額の最高金額は50万元だったが、2回の草案審議を通じて200万元に引き上げられ、その幅も最大となった。しかし3回目の審議を経て限度額は300万元と処分が厳重となり、商標保護を強化するものとなった。

  修正後の『商標法』は、2014年5月1日から施行され、新法が商標管理に更に有力な法的根拠を与えることが期待される。

 

(中国ラジオネットより)

作成日:2013年09月18日