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定年超過労働者のために雇用者責任保険に加入すべきか -NEW-

   2026年7月1日に『定年超過労働者の基本権益保障暫定規定』が正式に施行され、企業は定年超過労働者を労災保険に加入させることが法的義務となりました。これにより、定年超過労働者を労災保険に単独で加入させることができなかった一部地域の企業が、リスク分散のためやむを得ず雇用者賠償責任保険などの民間保険に加入するという状況が解消されることになります。
   本規定の施行後、多くの経営者から「労災保険の単独加入が可能となった今、従業員を雇用者賠償責任保険など民間保険に別途加入させる意味はあるのか」という疑問も上がっています。今回はこの点について参考となるポイントを解説します。

◆労災保険と雇用者賠償責任保険の違い
   労災保険と雇用者賠償責任保険は、いずれも企業が法的に負担すべき労働災害関連の賠償のみを補償するもので、労災認定書を根拠とする必要があるという共通点がありますが、両者には以下の相違点があります。
(1)労災保険は法律で加入が義務付けられた社会保険であり、関連法令の規制を受けるが、雇用者賠償責任保険は任意加入の民間保険であり、企業が必要に応じて加入することができる。
(2)労災保険の保険金は労働者またはその遺族に直接支払われるが、雇用者賠償責任保険の被保険者は企業であるため、保険金は企業に支払われ、企業が負担すべき対外的な賠償損失を補填するために使用される。
(3)雇用者賠償責任保険の支払いには「損失補填の原則」が適用されるため、労災保険基金の給付対象外かつ企業が法的に負担すべき経済賠償責任を補填することができる。例えば、企業が負担しなければならない業務停止給与保留期間中の賃金や、一時的な障害就業補助金などの支払いが対象となる。
   そのため、雇用者賠償責任保険など民間保険の加入を継続すべきかどうかは、自社の労災事故の発生確率や頻度、コスト予算、定年超過労働者の年齢などの要因を総合的に検討して判断する必要があります。

◆留意事項
   通常、民間保険には加入年齢制限があり、保険会社や保険商品ごとに約款にも差異があるため、補償範囲や免責事項、賠償限度額、免責額、医療機関の制限などの重要条項には十分に留意し、必要に応じて現地弁護士にサポートを依頼することも有効となるでしょう。

作成日:2026年07月10日