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速報:『中華人民共和国生態環境法典』が可決 -NEW-

   3月12日、第14期全国人民代表大会第4回会議において、『中華人民共和国生態環境法典』が可決されました。これは中国で「法典」と名付けられた2つ目の法律で、2026年8月15日より施行されます。本法典は現地の日系企業の生産・経営および中国への投資を計画している外資系企業の事業計画にも重大な影響を与えることから、今回は企業が留意すべき要点を紹介します。

(1)本法典は、従来の30余りの法律および多数の行政法規を統合し、生態環境の監督管理規則を統一することにより、地域間や個別法間の基準の相違や矛盾をある程度解消しました。施行後は従来の『環境保護法』、『大気汚染防止法』、『土壌汚染防止法』、『固形廃棄物による環境汚染防止法』など10の法律が廃止されるため、企業は新法の規則に基づいて生産・運営を行う必要が出てきます。

(2)本法は企業に対するコンプライアンス要件全体をより厳格化しており、通常監視リストに従来含まれていなかった物質(特定の抗生物質、内分泌かく乱物質、マイクロプラスチック、ペルフルオロ化合物など)も規制対象に含まれることになります。

(3)本法典の施行後、外資系企業は生産プロセスにおける排出に対する責任を負うだけでなく、サプライチェーンの上流における生態系破壊や下流における廃棄物処理について、拡大責任または連帯責任を負う可能性もあり、企業のコンプライアンス管理範囲が著しく拡大することになります。

(4)本法典に「グリーン・低炭素発展」編が設けられたことは、「グリーン・低炭素排出削減」がもはや企業の自主的な行動や政策提唱ではなく、法的義務となったことを意味します。
   鉄鋼、化学、建材、非鉄金属、タイヤなどの高エネルギー消費産業は、早期に転換戦略を策定し、「炭素排出量取引」や「カーボンフットプリント管理」などの制度を確立し、省エネ・低炭素化に向けた技術改造の実施が求められることになるでしょう。

(5)本法典はより厳格な懲罰的損害賠償制度を導入しており、深刻な生態系破壊を引き起こした責任者に対しては終身責任追及が実施される可能性があります。外資系企業にとっては、環境法違反による経済的コストや個人に対する処罰リスクが大幅に高まることになります。

   今後、中国市場では環境保護技術、クリーンエネルギー、カーボンマネジメントサービスなどに対する巨大な需要が見込まれていますが、本法典は実質的に企業にグリーン転換を迫るものでもあります。また、先進的なグリーン技術やソリューションを持つ外資系企業にとっては、関連業界・産業への早期参入が可能となります。加えて、高水準の環境保護要件を満たす外資系企業にとっては、資金調達、政府調達、サプライチェーン協力などの面で、より競争力が高まることになるでしょう。

作成日:2026年03月16日