個人情報保護措置簡素化による中小零細企業のメリット -NEW-
2026年4月3日、国家インターネット情報弁公室は『小規模個人情報取扱者に対する個人情報保護簡素化措置に関する規定(意見募集稿)』(以下、『意見募集稿』という。)を公布し、パブリックコメントを募集しました。
この『意見募集稿』は、中小零細企業や個人事業主のコンプライアンスコストを削減し、同時にその保護基準をキープすることを目的とし、従来の画一的な個人情報保護規制を細分化することを示しています。そこで今回は、企業が留意すべき『意見募集稿』の要点を解説します。
1.新規定が中小零細企業に与えるメリット
『意見募集稿』では、本規定の簡素化措置が「中国国内の小規模個人情報処理者」に適用されることが明確化され、海外親会社やその他の関連会社のデータ規模については遡及適用されないとしています(冗長なプライバシーポリシーの制定が不要となり、コンプライアンス監査は5年に1度の自主監査へと簡素化)。また、海外企業の個人情報処理が10万人未満であれば本規定の適用対象外となります。(『意見募集稿』第2条)
小規模個人情報処理者とは個人情報処理が10万人未満の個人情報処理者を指しますが、新規定では「10万人」が当年度の処理人数なのか累積処理件数なのかが明確にされていないため、大企業に比べ個人情報処理量が少ない中小零細企業も注意が必要です。
2.「告知+同意」プロセスの簡素化
従来、『個人情報保護法』に基づいて個人情報を処理する場合、企業には明確な告知に加えて本人の同意(通常は書面同意)を得ることが求められていましたが、本『意見募集稿』では、以下の例からも「告知+同意」のプロセスが大幅に簡素化されたことが分かります。(『意見募集稿』第6条、第10条)
(1)公開=告知:サービス提供に不可欠な非機微個人情報処理において外部提供がない場合、個人情報処理規則の公開のみで告知を履行したものとし、個別にポップアップ表示する必要はない。処理規則については、処理者名称、権利行使者連絡先、処理目的などの主要情報のみ含めればよい。
(2)自発的提供=同意:ユーザーがサービスを受けるための必要情報を自発的に提供した場合、または十分な情報を得た上で自発的に顔画像などの機微個人情報を提供した場合は同意とみなし、書面または電子的同意を別途で取得する必要はない。
◆企業の留意点
各企業は、『意見募集稿』が義務の簡素化を定めているにすぎず、義務が免除されるわけではないという点に留意しつつ、引き続き『中華人民共和国個人情報保護法』などで法的に規定されている基本的・核心的な個人情報保護義務を遵守する必要があります。
現時点で『意見募集稿』はまだ正式に審議・可決されていないため、企業は既存コンプライアンスを調整する時点で正式に公布されている最新の規定に注目し、移行期間中の政策変更によるコンプライアンス上のずれが生じないよう注意する必要があります。同時に、個人情報保護に関する社内コンプライアンス研修やトレーニングを強化することも極めて重要です。
作成日:2026年07月13日
