最新法律動向

販売・小売業者にとって重要な「プロクレーマー」に関する新制度案

2025年8月6日、中国国家市場監督管理総局は『市場監督管理苦情・通報処理弁法(意見募集稿)』を発表し、2025年9月5日まで意見募集を行っています。
これまでは、一部のいわゆる「プロクレーマー」が商品に不備があると知りながら大量購入し、企業に対して不当な賠償請求を行うケースが見られており、こうした不正行為や悪意ある通報を防止し、消費者の正当な権利を守るため、制度の見直しが進められていました。
今回の意見募集稿は、2022年に施行された「市場監督管理苦情・通報処理暫定弁法」の改正案であり、8条が追加され、4条が削除されています。本改正案が施行されれば、悪意ある通報のリスクに直面している日系企業にとっては朗報となります。
例えば、購入頻度が異常に高い場合や、商品に問題があると知りながら購入した場合、短期間で大量の苦情を申し立てた場合などは、「プロクレーマー」または「悪意ある通報」とみなされ、市場監督管理部門はこれを受理しない可能性があります。そのため、企業側もこれらの「無効な通報」に対して抗弁し、企業の合法的な権利を保護することができます。
特に販売業や小売業を営む日系企業は、本改正案の立法動向や今後の施行状況に注目し、不当な苦情やプロクレーマーが疑われる場合は、当局への説明や意見を提出するなどして適切に対応することが重要です。
また、通報に明らかな虚偽が認められる場合(競合他社による悪意ある通報や、悪質な恐喝行為など)に法的リスクを軽減させるためには、弁護士などの専門家に相談し、適切な対応をとることが重要となるでしょう。

作成日:2025年08月28日