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日本の経営·管理ビザ申請要件の新たな変更 -NEW-

   2025年8月26日、日本の出入国在留管理庁は、日本の経営·管理ビザの取得申請要件厳格化を含む改正案を発表しました。経営・管理ビザ許可基準を定めたこの法務省令の改正は、2025年10月16日より正式に施行されます。
   今回は日本での企業経営を検討中の皆様や経営・管理ビザを取得済みの皆様にもご参考いただけるよう、本改正に伴う経営・管理ビザ許可基準の見直しポイントを簡潔に解説いたします。

1.登録資本金と職員雇用の両方を満たすことが必要
   従来、経営·管理ビザの申請には「登録資本金500万円以上」または「職員を少なくとも2名雇用する」のいずれかの要件を満たすことが必要でしたが、改正後は登録資本金の最低条件が3,000万円となり、加えて「常勤職員」を少なくとも1名雇用するという要件を同時に満たさなければならなくなりました。
   ここでいう「常勤職員」とは、日本人、特別永住者、永住者、日本人の配偶者、永住者の配偶者、定住者に限られており、「出入国管理及び難民認定法」別表第1号に記載されたその他の就業在留資格を持つ在留外国人は対象にならないという点に注意が必要です。
   また、登録資本金3,000万円の認定基準は事業主体によって異なり、法人の場合は株式会社の実質払込資本金を基準とし、個人の場合は事業展開の必要に応じて投入した総額を基準とします。

2.専門家による事業計画書の事前確認を義務付け
   これまでは、提出した事業計画書通りに事業活動を行っていないケースが多く見られていましたが、こうした状況を極力回避するため、改正後は申請者の事業計画書に専門家の事前確認が義務付けられます。これにより、中小企業診断士や公認会計士または税理士に事業計画書の具体性や合理性、実現可能性を評価してもらう必要があります。
   なお、事業計画書等の代理作成を依頼する場合は、弁護士または行政書士に委託しなければならないという点に留意が必要です。弁護士・行政書士以外が報酬を得て書類を作成した場合は『行政書士法』違反となる可能性があります。

3. 経営者の学歴・職歴証明の新たな要求
   これまで経営・管理ビザには申請者の学歴に対する統一要件はありませんでしたが、改正後は以下のいずれかの条件を満たす必要があります。
(1)経営管理または申請に係る事業の業務に必要な技術または知識に係る分野に関する博士、修士若しくは専門職の学位(外国において授与されたこれに相当する学位を含む)を取得している。
(2)事業の経営または管理について3年以上の職歴(在留資格「特定活動」に基づく、貿易その他の事業の経営を開始するために必要な事業所の確保その他の準備行為を行う活動、起業準備活動期間を含む)を有する。
   例えば、日本で「貿易」事業を経営するには、貿易に関わる3年以上の経営管理経験が必要となります。
   なお、申請者の学歴と「経営管理」の経験は、いずれも申請者が関連資料の提出により証明する必要があることにも留意しなければなりません。

作成日:2025年10月19日