最新法律動向

『外商投資法』が可決され、2020年1月1日から正式施行へ

3月15日午前、第13期全国人民代表大会第2回会議で『中華人民共和国外商投資法』が可決され、2020年1月1日から施行されることになりました。

●主な内容
1.「外商投資」の含意について定義した。外商投資とは、外国の自然人、企業又はその他の組織が直接又は間接的に中国国内において行う投資活動を指す。

2.外商投資に対し「参入前内国民待遇+ネガティブリスト」の管理制度を実行し、参入後は市場競争に公平に参与できることを原則とする。外商投資企業が法により公平な競争を通じて政府調達活動に参与すること、外国投資者の投資に対して技術移転を強制してはならないこと等、外国投資者に高く注目される問題について、基本法の形で明確な規定を与えた。

3.本法の施行開始日をもって「外資三法」は同時に廃止する。外商投資企業の組織形態や機構等には『会社法』等の法律規定を適用する。外商投資企業に5年間の過渡期間を与え、この期間中においては企業の組織形態等を元のまま維持できるとした。

●留意点
1.本法は、「外資三法」に取って代わる外商投資の基本法となります。この法律により、投資促進や保護の面で関連制度が確立されたことは、外国投資者にとって1つの安心材料となります。一方、本法には原則的な規定や指導の方向性を示した規定が多く、国務院等の政府機関の具体的な実施規則等の制定による具現化が待たれるという側面もあります。外国投資者は引き続き関連の動きに十分注目することをお勧めします。

2.「外資三法」に基づいて設立された外商投資企業の組織機構や形態等は、『会社法』等の関連規定に照らして調整されることとなります。今のところ、本法の施行後に組織機構に受ける影響が大きくなるのは中外合弁企業、中外合作企業と予想されます。5年間の過渡期間が与えられてはいるものの、組織構造の調整はコーポレート・ガバナンスや株主権の分配、調整にも関わり、合弁契約及び定款等を修正する必要もあることから、関連する企業においては早めの準備着手が必要となります。

作成日:2019年03月19日