最新法律動向

全面的に施行される「2人っ子」政策 山東省版

社会の発展で経済状況の変化により、1人っ子政策は、その歴史的な役割を終え、現代中国の社会的な需要と適合しないものとなりました。社会の発展と新たな経済状況の需要を満たすため、全人代常務委員会は、2015年12月27日に『人口計画出産法』を改訂しました。これに伴い、山東省人民代表大会常務委員会も2016年1月22日に省の『人口計画出産条例』を改訂しました。

 【『人口計画出産法』との関係について】

『人口計画出産法』は、マクロ的に計画出産に関連する内容に規定を行い、これと同時に全国各地の自治体が国の法律法規の規定をベースに、全国各地の実情を踏まえ、地方にあった奨励措置を制定することを許すものです。そのため『山東省人口計画出産条例』は、『人口計画出産法』をベースに、山東省の実情を踏まえて、出産休暇及び育児休暇等の内容を追加した地方規定となっています。

【『人口計画出産条例』改訂のポイント】

1.出産休暇及び育児休暇の追加

第25条には、次のように規定されました。「法律及び本条例の規定に基づいて子供を産んだ両親は、国の定める出産休暇のほか、出産休暇60日を追加し、なお且つ男子側には育児休暇7日を与える。」

このため、今後山東省においては1人産むか2人産むかに関わらず、女子従業員は国の定める98日間の出産休暇を取得できるほか、山東省の奨励政策としての出産休暇60日も取得できることとなりました。また、配偶者が1人産むか2人産むかに関わらず、男子従業員も育児休暇を7日間取得できることになりました。

2.1人っ子費

「前の法律の下では前の政策を、新たな法律の下では新たな法律を適用する。」という原則に基づいて、今年1月1日より、1人しか子供を産まなかった両親でも1人っ子費等の奨励金は受け取れなくなりました。但し昨年12月31日迄に、「1人っ子両親光栄証」を取得し、今年1月1日以降子供を産まない両親は、依然として1人っ子費等の奨励金を受け取ることができます。

3.晩婚休暇

これまであった14日間の晩婚休暇は、廃止となります。

【日系企業の皆様に対応していただく必要のある事柄】

1.山東省内の企業は、『人口与計画出産条例』に基づいて、就業規則等の社内規則を改訂する必要があります。

2.上記1の改訂作業が完了した後、『労働契約法』第4条の規定に基づいて、速やかに改訂後の社内規則にかかる民主的な制定プロセス、公示プロセスを行い、なお且つ従業員から確認の署名を取る等の手順を踏み、手続上の瑕疵から社内規則が法的効力を発揮できないというリスクを避けるようにします。

作成日:2016年02月14日