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医薬情報担当者に対する新たな規定 -NEW-

   2026年5月15日、国家薬品監督管理局、公安部、国家衛生健康委員会、国家医療保険局など7つの部門は、共同で『医薬情報担当者管理弁法』(以下、「新規定」という。)を公布しました。本規定は2026年8月1日より正式に施行されます。今回の新規定では、2020年の試行版と比較して全面的な改定が行われており、規制はより厳格に、責任の所在はより明確に、処罰はより重くなっています。そこで今回は、本規定の要点を簡潔にご紹介いたします。

◆新規定の主な変更点
   2020年の試行版と比較して、主に以下の3つの点が変更されています。
1.医薬情報担当者の役割が「販売」から「学術担当」へ
   従来の法規では、医薬情報担当者の役割に関する規定が曖昧であり、実務上は販売目標と結びつけられることが多々ありました。
   新規定では、医薬情報担当者の業務は、医師への医薬品情報の提供、投薬計画の協議、副作用の報告などの専門的・学術的活動であると明記されており、代金回収や医師の処方箋の集計(統方)などの医薬品販売業務は厳禁されています。(『新規定』第3条、第21条)

2.参入基準が「人脈重視」から「専門性重視」へ
   以前は医薬情報担当者に対する厳格な学歴要件はなく、専門的な背景が欠けた従業者も一部存在していました。新規定では、短期大学以上の医学・薬学関連専攻の学歴が義務付けられ、さらに販売促進する医薬品の臨床理論知識を習得し、届出・公示を経ることが求められます。これは、専門的な背景を持たない場合は業界への参入ができなくなることを意味します。(『新規定』第9条、第10条)

3.「9つの禁止行為」を明記
   新規定では、以下の9つの禁止行為を明記し、7つの部門による情報共有および共同懲戒システムを強化しています。規定に違反した医薬情報担当者は公示され、医療機関への立ち入りが制限されます。深刻な場合は公安機関に移送される場合もあります。また、規定に違反した製薬企業は、医薬品の調達制限や信用格付けの引き下げなどの処罰に直面することになります。(『新規定』第24条、第26条)
(1)医薬品の販売目標を課す
(2)医師個人の処方量を統計する
(3)リベート、贈答品、金品、または有価証券を提供する
(4)寄付やスポンサーシップなどの名目で、利益を間接的に供与する
(5)接待、旅行、スポーツ、娯楽などの活動を手配する
(6)医薬品の効能を誇張したり、副作用を隠蔽したりする
(7)届出や病院の同意なしに、勝手に宣伝を行う
(8)患者の個人情報や病院の内部情報を収集する
(9)医師の臨床における適正な薬剤使用へ干渉する
   また、新規定では製薬企業が医薬情報担当者および委託した第三者販促機関(CSO)の行為に対して全責任を負うことが明記されており、従来のように個人や外部委託先に「責任転嫁」する慣行は排除されます。そのため、内部管理を怠った製薬企業は連帯責任を負うことになります。

◆日系企業および医薬情報担当者へのアドバイス
   新規定の施行により、これまで「コネ作り」や「リベート販売」に頼ってきた医薬情報担当者(MR)は淘汰されることになります。日系製薬企業は中国市場において長年にわたりコンプライアンス経営を重視してきましたが、新規定の背景を踏まえ、以下の事項に注力する必要があるでしょう。
(1)既存の医薬情報担当者の資格の整理
   すべての担当者が、短期大学以上の医学・薬学関連専攻という学歴要件を満たし、届出を完了していることを確認してください。要件を満たさない人員については、速やかに異動またはコンプライアンス研修を受けさせる必要があります。
(2)学術プロモーション活動の厳格な管理
   すべてのプロモーション資料および活動形式を再審査し、接待、旅行、実質的なリベートなどの違反行為が発生しないよう注意してください。すべてのプロモーションは、病院の承認を得た上で実施してください。
(3)CSO等の第三者機関の管理を重視する
   新規定では、製薬企業のCSOに対する行動責任が規制対象に組み込まれています。そのため、提携先のコンプライアンス実績を再評価し、責任条項を盛り込んだ契約を締結するとともに、定期的に監査を実施することも重要となります。
(4)内部および外部の通報・審査体制の構築
   7つの部門による取締りの動向に合わせ、内部および外部の第三者によるコンプライアンス通報窓口を設置し、定期的な自己点検を行うことを推奨します。これにより、個々の従業員の違反行為が企業の信用や医薬品調達資格に影響を及ぼすこと防ぐことができるでしょう。

作成日:2026年05月28日