法律相談Q&A

強制執行力を有する公証文書に関する問い合わせ

Q: 当社では、ある会社との間で食品売買契約を締結する予定です。先方が商品を受け取った後に商品代金を支払わないとの事態の発生を防止するため、また、代金不払いとの事態が発生した場合、将来的に訴訟を提起する時間やコストを節約するため、「売買契約」について強制執行力を有する公証手続きをすることにより、裁判所に対して強制執行を直接申請できるのではないかと考えておりますが、この考えは正しいでしょうか。

A: 『公証法』、『強制執行力を有する債権文書の公証手続き及び執行証書の発行に関する指導意見』及び関連する法規及び規範性文書によれば、公証機関にて債権文書に強制執行力を持たせるための公証手続きをする場合、債権文書には、以下の条件を全て備えていなければならないとされております。

(一)債権文書に、貨幣、物品及び有価証券の給付に関わる内容があること。

(二)債権債務関係が明確であり、債権者及び債務者ともに、債権文書の給付内容について異議がないこと。

(三)債権文書において、債務者が義務を履行しないか、又は義務の履行が不完全である場合、債務者が法により強制執行を受けるとの承諾が明確に記載されていること。

(四)債権債務の目的物、金額(違約金、金利、滞納金を含む。)及び計算方法、履行期間、地点及び方式について、明確に約定していること。

(五)債務不履行又は不適切な履行の確定方法について、明確に約定していること。

実務において、売買契約の履行過程において、買主が商品代金を支払わない原因として、商品の品質問題のほか、売主が発注書とおりに商品を供給しなかったり、売主側にその他違約状況があることなど様々な原因が考えられます。即ち、債権債務関係が不明確であり、代金の給付及び代金をいくら支払うか等について双方に意見の違いが存在する可能性もあります。この場合、売買契約が上記の条件に完全に合致しないため、公証機関は一般的に、この類の売買契約について強制執行力を有する公証文書を発行しない可能性もあると思われます。

作成日:2009年08月27日