包装食品のラベル表示に関する新国家基準 -NEW-
2025年3月16日、国家衛生健康委員会及び市場監督管理総局は共同で『食品安全国家基準・包装食品のラベル通則』(GB 7718-2025)(以下「新基準」という。)等の50項目の食品安全国家基準と9項目の修正リストを公布しました。
当該新基準は、主に包装食品(あらかじめ包装資材や容器で包装または製造された食品)に対する、食品ラベル上の用語、栄養成分、原材料表示などの表示ルールを規範化するものであり、食品の保管・運送用包装、量り売り食品、その場で調理・販売される食品の表示には適用されません。当該新基準は、食品関連の製造・販売企業、ショッピングモール、スーパーマーケット等に大きな影響を及ぼすため、今回は新基準の要点を簡潔に解説いたします。
1.「零添加」等の用語の使用制限
消費者に誤解を与えないよう、当該新基準では、食品の原材料に関する強調表現が制限されており、「零添加」「不添加」「不使用」等の用語の使用を避けています。
例えば、果糖やブドウ糖シロップが含まれていない果汁飲料でも、「果糖不添加」等の表現を使用することはできず、「無果糖」という表現の使用が可能となっています。(「新標準」第4.4条)
2.食品にアレルゲン物質が含まれている場合は、特別な表示が必要
当該新基準では、食品にアレルギー反応を引き起こす可能性のある成分が含まれている場合、食品成分表またはその付近に目立つように表示しなければならないと定めています。これには、グルテンを含む穀物、甲殻類、魚類、卵類、ピーナッツ、大豆、乳製品、ナッツ類の八大アレルゲン物質およびその製品が含まれています。(「新基準」第4.12条)
3.賞味期限表示の国際ルールとの協調
当該新基準では、包装済み食品の日付を明確かつ目立つように表示し、識別しやすくすることを求めています。また、「製造日時」「品質保持期限」及び保存条件などの情報も表示しなければなりません。賞味期限が6ヶ月以上の場合は、製造日時を表示せずに、品質保持期間と品質保持期限のみの表示でも構いません。
食品ロスを防ぎ、国際ルールと協調するため、当該新基準では食品生産者が食品の特性や製造工程等に応じて「消費保存期間」を任意で表示しても構わないと定めています。消費保存期間とは、消費者への参考として表示する指定の保存条件における最終的な消費推奨日を指します。(「新標準」第4.7条)
◆日系企業へのアドバイス
この50項目の食品安全国家基準は2025年3月16日に公布されましたが、各基準及び規則には、状況に応じて移行期間や施行日がそれぞれ設定される可能性があります。そのため、食品関連企業は自社の製品および生産経営の状況を踏まえて当該新基準の内容を速やかに把握し、要件に従って包装食品のラベル表示を調整することをお勧めします。移行期間後に調整が完了していない場合は、製品の販売停止や罰金、企業イメージの失墜等に繋がる可能性があります。同時に、各企業は現地の関連監督部門との連携を強化し、実務における適用基準を正確に理解した上で、合法的に対処することが求められます。
作成日:2025年05月16日