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在宅勤務中の負傷の労災認定基準 -NEW-

   新型コロナの流行以降、多くの企業で在宅勤務を採用されていますが、オフィスと異なる環境や雰囲気では業務効率を保つのが難しいという難点があります。加えて、在宅勤務中の負傷は労災認定されるかどうかという問題も生じています。最近、これに類する労災関連の相談がありましたので、今回は実務上よく見られるケースに対処する際のノウハウを紹介します。

1.在宅で臨時かつ偶発的に行った簡単な業務連絡は業務原因と見なさない
   2025年11月13日に公布・施行された『「労災保険条例」の施行に関する若干の問題についての意見(三)』(人社部発〔2025〕62号、以下『意見』という。)では、労災の裁定基準は主に業務原因による負傷であるかどうかに基づいて認定され、在宅勤務かどうかは認定に影響すべきでないとされています。
   但し在宅勤務は業務と生活の境界線が本質的に曖昧であることから、本『意見』は「業務行為」と「日常行為」の線引きを明確化しています。在宅で受けた簡単な業務連絡を業務原因の範囲と認めた場合、労災認定の範囲が無限に広がり、雇用主は不合理なリスクを負うことになります。
   実務において紛争を未然に防ぐためには、業務の合間の家事や休憩で生じた傷害は労災に該当しないことを従業員に明確に伝えておく必要があります。

2.規範化された在宅勤務制度の構築は極めて重要
   実務において、在宅勤務中の負傷が労災認定されるには、「雇用主の指示に従った」という前提が必要で、従業員は業務上の原因による負傷を証明する十分な証拠を提出しなければならず、証拠が不十分な場合、労災認定は難しくなります。
   口頭の通知による在宅勤務や従業員が自ら選択した在宅勤務で事故が発生した場合は、容易に紛争に繋がります。そのため、在宅勤務の申請条件、承認プロセス、勤務時間、評価基準、事故の即時報告プロセスの明確化およびその厳格な実行は、企業と従業員の正当な権益を守る上で極めて重要です。

◆企業へのアドバイス
   外資企業、特に中国の複数地域に拠点を置く企業は、在宅勤務制度や就業規則などが現地の法令に準拠しているかどうかに注意し、本社ポリシーをそのまま適用したことにより生じる恐れがあるコンプライアンスリスクを回避する必要があります。
   また、省や市を跨ぐ遠隔勤務者については、地域により労災認定基準やプロセスに差異がある可能性もあるため、事前に現地弁護士と現地の政策や実務状況を確認し、コンプライアンスに則った運用を確保することをお勧めします。

作成日:2026年09月14日