速報:企業も保護対象となるサイバー暴力防止新法-【NEW】-
2026年7月29日、国家インターネット情報弁公室は『中華人民共和国サイバー暴力防止法(意見募集稿)』(以下、『意見募集稿』という。)を公布し、パブリックコメントを募集しました。
情報がネット上で瞬時に拡散し、生成AI活用が高度化する現代では、個人のプライバシー情報の不正取得や漏洩リスクが高まっています。企業も虚偽情報の急拡散によるネット中傷を受けやすく、商業上の信用を容易に損ないかねないおそれがあります。そこで今回は、本『意見募集稿』が企業に与える影響について解説いたします。
1. 企業・組織も保護対象となる
これまでは、企業がサイバー暴力に直面した場合、その権利保護が困難となる状況が多く見られていましたが、『意見募集稿』では、企業を含む「組織」をサイバー暴力対策の保護対象に組入れました。これは、競合他社が第三者に依頼して悪意ある低評価を投稿させたり、製品安全性に関するデマや誹謗中傷を広めた場合、もしくは消費者のボイコットを煽動した場合などに、被害を受けた企業が本法を直接援用し権利を保護することを可能とします。
実務においては、消費者や世論からの「正当な批判や監督」と「悪意あるサイバー暴力」を適切に区別し、同法の誤用による企業弾圧や、二次的な世論上の危機に繋がらないよう注意することも必要となります。
2.プラットフォームは「受動的コンテンツ削除」から「能動的防御」へ
『意見募集稿』は、インターネットサービス提供者のガバナンス義務を、権利侵害行為発生後の受動的対応モデルから、能動的な防止・コントロール処理体制の構築へと転換するものとなっています。
これに伴い、「RED」「TikTok」「Weibo」などのインターネットサービス提供プラットフォームは、事後の権利侵害申立窓口を設けるだけでなく、事前にサイバー暴力の自動検知・識別システムやデマ対策メカニズムを構築する必要が生じます。また、AIによるサイバー暴力情報の生成・拡散が頻発する状況を踏まえ、プラットフォームには、企業への悪意ある攻撃を能動的に発見・警告し対処することに加え、「スピード証拠収集」機能の提供が求められます。これにより、企業はネット中傷に直面した際、プラットフォーム上で直接かつスピーディに証拠を保全することが可能となります。
◆企業へのアドバイス
サイバー暴力防止法の公施行は、中国に進出している日系企業や個人に、より安全なネット環境を提供するものであり、同法の内容を積極的に理解することは、企業経営と個人の権利保護の両面で大きな意義を持ちます。万一サイバー暴力に見舞われた場合は、速やかに有効措置を講じ、損失を最小限に抑えることが重要です。
作成日:2026年08月03日
