『金融法(草案)』が6月23日に初審議
2026年3月20日、司法部、中国人民銀行、金融監督管理総局、中国証券監督管理委員会、国家外貨管理局は、『中華人民共和国金融法(草案)』(以下、『金融法(草案)』という。)を共同で公表し、パブリックコメントの募集を開始しました。その後、6月23日に開かれた第14期全国人民代表大会常務委員会第23回会議では、同草案が初めて審議されました。『金融法(草案)』は、銀行・保険・証券などの金融機関に重大な影響を及ぼすことから、以下に企業として留意すべきポイントを紹介します。
1. 監督管理の全面強化および機関・個人双方への責任追及
中国におけるこれまでの金融監督管理では、管轄区域ごとに責任分担し、銀行、証券、保険にはそれぞれ独自の法規制がありました。しかし、金融イノベーションの発展に伴い多くの金融商品が業界の垣根を越えて混在するようになり、「誰も管轄しない」あるいは「管轄不可」なグレーゾーンが発生しやすくなっていました。これを踏まえ、『金融法(草案)』は全面的カバーを原則とした監督管理を明確に打ち出し、中央と地方の監督管理の責任分担を明確化すると同時に「終局的監督管理メカニズム」を確立し、無許可営業や金融業務偽装行為に対する処罰を強化しています。
また、重大な違法行為に対しては、企業への処罰だけでなく関連責任者に対しても責任を追及し、最高で前年度売上の5%の罰金を科すほか、許可証の取消や市場への終身参入禁止措置が講じられる場合もあります。
2. 金融業務と実業業務の分離、株主および実質支配者に対する監督の強化
『金融法(草案)』第22条は、「実業」と「金融」を分離し監督管理するという原則を打ち出し、株主および実質的支配者に対する監督管理を強化しています。『金融法(草案)』の施行後、製造・貿易業だけでなく自動車ローン、ファイナンス・リース、保険業などを同時に営む実業グループ企業などは、中国事業の構造を見直し、金融部門と実業部門の間に明確な壁を設けなければなりません。
◆企業へのアドバイス
『金融法(草案)』には企業に対する多くのコンプライアンス要件が含まれていますが、経営コンプライアンスを遵守する企業にとっては、逆に市場環境が改善され、製品やサービスそのものに競争が回帰することが大きな追い風となり、むしろ発展の余地を広げるものとなり得ます。現時点では正式施行前の意見募集段階ですが、各企業はこの政策動向に適時注目し、コーポレートガバナンス、リスク管理、消費者の権益保護、データの分類・格付管理・越境転送などの面でコンプライアンスの最適化を進めることができるでしょう。
作成日:2026年07月09日
